EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
近年、地政学的な不安定さや紛争、感染症の流行、自然災害など数多くの事象が世界各地で発生しており、それらが引き起こす経済の不確実性が世界中の企業に影響を及ぼしています。これにより、IFRSでの会計処理において数多くの検討事項が生じています。
たとえば、インフレーション(以下、インフレ)率や金利も世界的に高止まりしており、インフレが進んだことで世界中の中央銀行が金利を引き上げざるを得なくなっています。その結果、債務を抱える企業は借入コストの増加、そして潜在的には将来の借換コストの増加に直面しています。また、多くのIFRS会計基準書において、非流動資産や非流動負債を測定する際、貨幣の時間価値算定に割引計算が用いられています(たとえば、割引キャッシュ・フローを用いる投資不動産の公正価値測定など)。金利が上昇すれば、当該資産及び負債の現在価値は下落し、数多くの財務報告の領域、具体的には減損の測定、引当金、退職給付債務、リース、金融商品及び再評価モデルを適用する有形固定資産及び無形資産などに影響を与える可能性があります。
本稿では、このような不確実な事象が会計に与える影響、及び、その影響を検討する際に考慮すべき既存の会計上の要求事項についてEYの見解も含めて解説しています。
EYのIFRS専門家チームは、国際財務報告基準の解釈とその導⼊にあたり、企業が直⾯する問題を精査します。
IFRS財務諸表記載例、日本基準とIFRSの比較、毎期決算上の留意点などのIFRSプロジェクトにおいて有用な基本ツールをご紹介します。
EYのプロフェッショナルが、国内外の会計、税務、アドバイザリーなど企業の経営や実務に役立つトピックを解説します。