EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
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Why now|「想定外」ではなく「仕組み不足」――防災投資を問い直す機は熟した
災害は、起きた後になって、社会と行政の主要な課題として意識されます。しかし、しばらくすると議論は日常の財政制約の中に吸い込まれていきます。日本が災害を記憶していないからではありません。むしろ日本は災害をよく記憶してきた国です。問題は、その記憶を国家財政の制度と年度予算に翻訳する仕組みが、今なお十分に成熟していないことにあります。
大きな災害のたびに「想定外」という言葉が現れます。しかし実際には、南海トラフ巨大地震、首都直下地震、大規模水害等、わが国の災害リスクの相当部分は、既に想定されています。「想定外」なのではなく、想定を年度予算と投資順位に変換する「仕組み」が確立されていないことが課題なのです。
背景には防災という分野の特異性があります。成功した防災は、しばしば「何も起きなかった」という姿でしか現れません。堤防が破れなかった、病院が止まらなかった、という成果はニュースになりにくいものです。この見えにくさが、防災投資の必然性を検討する際の壁となっています。防災庁設置法が公布され、防災庁の発足日が2026年11月2日と定められたことを踏まえ、防災を国家的リスク管理として問い直す機は熟しています。