EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
要点
本稿では前後編の2部構成で、後編はグローバル対応や各企業のニーズについて事例をもとに紹介し、専門家の支援を受ける企業のメリットについて解説します。
世界各国で法規制が施行、規制が強化される中、法規制や文化、個人の価値観は国ごとに大きく異なります。企業はこれらを踏まえ対応する必要があります。
国によって法令に差があり、さらには現地の法執行の状況も異なります。その状況を加味した上でのプライバシー対策はグローバル対応の主要課題です。特に、海外拠点の限られた人員体制においてプライバシー体制をどう整備するか、は多くの企業で共通する悩みです。一方、グローバルでの事業比重が高い企業は、BtoC、BtoB問わず、海外の主要拠点にもプライバシー専門人材を配置する等、体制を強化する動きも見られます。
ルール整備においては、「グローバル共通ルール」と「ローカルルール」を組み合わせた2層管理が基本的なアプローチとして定着しています。グローバル全体の共通ルール、各国の規制を反映した補完ルールを整備し、統一性と地域性のバランスを図ります。
企業からのご相談は、大きく2つの領域に分類されます。1つ目は現状把握・ギャップ分析、2つ目は、改善支援(体制整備・運用設計)です。
まず、現状把握・ギャップ評価では、プライバシーガバナンスの向上に向けて、企業として「どこにリスクが潜んでいるのか」「どこから改善に着手すべきか」を明確にし、効果的な改善につなげたいという目的で、課題やリスクの特定、改善案の整理等のニーズが多く見られます。
一方、改善支援では、企業内のプライバシー改善プロジェクトに伴走する形で、規程類の策定、運用フローの設計、関係部門との調整といった実務支援を求められるケースが中心です。特に、ビジネス部門とリスク管理部門の利害や視点の違いを踏まえ、双方を橋渡しする役割への期待も寄せられています。
プライバシー対策は、企業のビジネスや企業風土に応じて多様化しています。そのため、標準化された対応ではカバーしきれない企業独自の課題に対し、客観的な視点と専門的な知見から支援することが期待されています。
外部専門家の活用は、企業が抱えるプライバシー領域の課題を客観的かつ俯瞰的に把握し、改善に向けた具体的なアクションにつなげる上で有用です。ビジネスにおける個人データの取り扱い状況、業界動向、企業のガバナンス成熟度といった多角的な要素を踏まえ、課題の特定から改善まで専門的な視点で支援するとともに、自社では気づきにくい論点を補完し、優先すべき改善ポイントを明確化できる点は大きなメリットです。
また、プライバシー領域は法規制と実務の両面の知識が求められる専門性の高い分野であり、社内のみで人材を育成するには時間とコストがかかります。外部専門家による支援は、知見の効果的な移転と効率的なガバナンス体制の構築・運用を後押しします。
EYはメンバーファーム内に弁護士法人を有し、国内外の法務専門家と連携した支援が可能です。複雑化する法規制への対応や国際的なガバナンス整備において、法務・実務両面からアプローチできる点は、企業にとって大きな付加価値となります。
企業の安定的なビジネス推進には、環境変化に左右されないガバナンス構築が不可欠です。プライバシー対策は、企業がステークホルダーからの「信頼」を維持しながら、「データ利活用」を適切に進めるための基盤として位置付けられます。
プライバシー対策には、“100%の正解”が存在するわけではありません。だからこそ、外部環境の変化を見据えながら、自社のビジネス特性や組織文化に応じて、継続的に改善を重ねていく姿勢が重要となります。
ITの進歩、ビジネスの変遷を背景とする各国法規制の強化、個人のプライバシー意識に対する高まり等の環境変化を受け、データ保護、プライバシー対応は企業の優先課題であり、またグローバルな取り組みが必要となっています。
EYは、グローバルネットワークやLawファームとも連携し、企業における態勢強化のための取り組みを支援します。
企業ごとにビジネスモデルや組織文化が異なるように、最適なガバナンスのあり方も多様です。重要なのは、自社の特性を踏まえながら、ビジネス推進とリスク対応のバランスをどう設計するかという視点です。変化の激しい環境下においてこそ、自社にとって持続可能なプライバシーガバナンスを構築し続けることが、企業価値の向上につながります。
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