税情報の開示~日本企業グループによる開示例

グローバル・ミニマム課税の導入、EUおよびオーストラリアにおける国別報告書(CbCR:Country-by-Country Reporting)の開示義務化(PCbCR:Public Country-by-Country Reporting)等により、企業の税情報の開示に関する関心が高まっています。従来から、税務方針等の定性的な税情報を自主的に開示する日本企業はありましたが、オーストラリアにおけるPCbCRにおいては、企業グループの「税に関する取り組み(Approach to tax)」についても開示義務の対象となることから、より多くの日本企業が、定量面、定性面の双方から税情報の開示およびその充実を図られると考えられます。

本稿では、実際の日本企業グループによる先進的な開示例についてご紹介させていただきます。

日本企業グループの開示例

株式会社アシックス


アシックスグループ税務方針
2024年12月期 国別税額開示


第72期有価証券報告書
第一部 企業情報
第2 事業の状況
2. サステナビリティに関する考え方及び取組
(Ⅲ) 税務方針
2024年12月期 国別税額開示

本開示例の特徴:有価証券報告書に、税務方針と国別税額開示を掲載した初の開示例となります。

本開示例の特徴:日本企業において、国別の税金貢献額をWEBページに掲載された初めての開示例となります。


企業が検討すべき対応、実務上の留意事項

EUおよびオーストラリアにおけるCbCRの開示義務化に伴い、税務方針およびCbCRの開示およびその更新を検討される際に、有価証券報告書への掲載、国別税金貢献額の開示等、税情報開示について先進的なアシックスと味の素の開示例、ならびにEY作成の開示例を参照いただき、自らの税務ポジション、税務ガバナンスおよび税に関する取り組みの実践状況に基づいた開示を図ることが重要と考えられます。

お問い合わせ先

EY税理士法人

大堀 秀樹 アソシエートパートナー

※所属・役職は記事公開当時のものです


関連記事

10年間にわたる透明性の時代は税務をどのように一変させたのか

税の透明性が10年間で向上したことにより、企業は変化を余儀なくされ、新たな展開に対応するために、より多くのデータ管理が必要となりました。詳細はこちらをご覧ください。

仮想日本企業グループのCbCR開示に際しての影響度分析 ~日本企業がCbCRを開示すると、ステークホルダーからどのように評価され得るのか~

仮想日本企業グループの影響度分析において検出された事例を参考に、貴社グループのCbCRにあてはめて同様の事象がないかを確認し、ステークホルダーからの質問に説明責任を持って応じるために、事前の準備が重要となります。