EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
USTRは、2026年3月11日、1974年通商法第301条に基づき、製造業セクターにおける構造的過剰生産能力および過剰生産に関連する16の国・地域(中国、EU、シンガポール、スイス、ノルウェー、インドネシア、マレーシア、カンボジア、タイ、韓国、ベトナム、台湾、バングラデシュ、メキシコ、日本およびインド)の行為、政策および慣行に関する調査を開始したと発表しました。
米国政府は、調査結果に応じて、米国の通商に対する負担として特定された事項に対処するため、対象の国・地域の産品を対象に関税措置または非関税措置を講じる可能性があります。
USTRは、2026年3月17日に本調査に関するパブリックコメントの募集を開始しています。書面によるコメントおよび公聴会への出席申請の提出期限は、2026年4月15日午後11時59分(米国東部標準時・EST)です。公聴会は2026年5月5日に開始され、5月8日まで継続する可能性があります。
書面によるコメントは審理予定表USTR-2026–0067に、出席申請(証言要旨を含む)は審理予定表USTR-2026–0068に、それぞれUSTRのポータルを通じて提出する必要があります。
米連邦最高裁判所がLearning Resources訴訟において判断を示したことを受け、トランプ政権は、1974年通商法第301条に基づく複数の調査開始を含む、関税賦課のための代替的な法的手段を迅速に導入する方針を発表しました。連邦最高裁の判断の詳細については、2026年2月20日付EY Global Tax Alert「US Supreme Court rules IEEPA does not authorize presidents to impose tariffs」および2026年3月3日付 EY Japan税務ニュース「米国最高裁判所、IEEPAに基づく関税を違憲とする判決」をご参照ください。
USTRは今回、製造業セクターにおける「構造的過剰生産能力」および過剰生産に関する第301条調査を開始する通知を発表しました。本通知では、過剰生産能力を「企業が未使用の能力を維持または拡大するよう促す政府の介入、または政策によって維持されている低稼働の産業生産能力」と説明しています。USTRによると、世界全体では製造業の生産高は引き続き増加している一方で、推計上の設備稼働率は低い水準にとどまっており、多くのセクターで供給が需要を上回っていることを示しているとされています。さらにUSTRは、特定の国・地域における大規模または持続的な貿易黒字、ならびに低稼働または未稼働の生産能力が、米国の生産を阻害し、米国における新規投資を抑制し、既存のまたは将来見込まれる米国の製造業を排除する可能性があると述べています。本通知では、多数のセクターにわたる事例として、鉄鋼、自動車、バッテリー、化学品、電子機器、エネルギー関連製品、機械、半導体、船舶、太陽光モジュール、アルミニウム、紙、プラスチック、食品・飲料および輸送機器を挙げるとともに、過剰生産能力の一因となり得る政策介入について説明しています。
本調査は、大規模または持続的な貿易黒字、または低稼働もしくは未稼働の生産能力を通じて、構造的過剰生産能力および生産を有するとみられる次の国・地域に焦点を当てています。中国、EU、シンガポール、スイス、ノルウェー、インドネシア、マレーシア、カンボジア、タイ、韓国、ベトナム、台湾、バングラデシュ、メキシコ、日本およびインドです。通商法に基づき、USTRは諮問委員会および省庁横断の第301条委員会と協議し、今後、各国政府との協議を求める予定です。調査終了後、USTRは、これらの行為、政策または慣行が第301条に基づく措置の対象となるかどうかを判断します。
これらの調査は、USTRによって構造的過剰生産能力または過剰生産が米国の通商に負担を与えていると判断されたセクターにおいて、列挙された国・地域の産品を対象とする関税措置または非関税措置につながる可能性があります。対象の国・地域およびセクターにエクスポージャーを有する企業は、サプライチェーン、価格設定および調達への潜在的な影響を評価し、証拠に基づくコメント文書および証言の提出を検討すべきです。特定の行為または慣行が米国における事業運営、投資または雇用にどのような負担を与えているかを示すデータに加え、セクター別の設備稼働率、収益性および貿易フローに関する証拠が特に重要となります。
USTRは、以下の事項に関する書面によるコメントを募集しています。
証言を行うには、2026年4月15日までにUSTRのポータルを通じて出席申請を提出し、関連する調査を明記した上で、証言要旨を添付する必要があります。発言時間は、第301条委員会からの質問時間を確保するため、5分に制限されます。公聴会後の反論コメントは、公聴会最終日から7日以内に提出する必要があり、公聴会での証言に対する反論または補足に限定されます。全ての提出書類は英語で作成する必要があります。
コメントは、USTRのポータルを通じて提出する必要があります。
なお、提出者の識別情報および連絡先情報を記載する必要があります。第三者として提出する者(例えば、法律事務所、業界団体、通関業者)は、代理する組織の正式な法的名称および主たる連絡担当者を明示する必要があります。本通知では、情報が不十分な場合、USTRは「提出物を考慮しない可能性がある」としています。
企業秘密情報(BCI)を含むページには、「BUSINESS CONFIDENTIAL」と明確に表示し、括弧で囲むかハイライトする必要があります。当該情報が通常公表されないものであることを証する書面を添付し、BCIを提出するにあたっては公開可能な範囲を示す版も提出する必要があります。
USTRは、適切に指定されたBCIを除き、審理予定表に添付された資料を公開します。
企業が状況に応じて検討すべき対応には、以下が挙げられます。
EY税理士法人
大平 洋一 パートナー
原岡 由美 パートナー
福井 剛次郎 シニアマネージャー
※所属・役職は記事公開当時のものです
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