EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
市場の視点と「攻めのガバナンス」の実践
上場企業が資本市場からどのように評価されているかを客観的に把握することは、企業価値向上の第一歩となります。
多様化するアクティビストの標的と要求
笹岡は冒頭、日本企業に対するアクティビストの動向について言及しました。近年、そのターゲットはPBR1倍未満の企業にとどまらず、PBR1倍以上の企業へも広がっているのが実態です。グローバルアクティビストの参入や既存プレイヤーのベテラン化を背景に、彼らは対象企業が持つポテンシャルが十分に引き出されていないと判断すれば、容赦なく介入してきます。また、提案内容も単なる株主還元から、非公開化の提案や抜本的な「事業ポートフォリオの再編」へと高度化しており、企業側にはより一層の警戒が求められます。こうした外部からの厳しい視線に対し、企業は受け身になるのではなく、自らの事業価値をロジカルに説明する姿勢を持たなければなりません。
機関投資家との対話とキャッシュアロケーション
さらに、中長期的な成長を重視する国内外の機関投資家からも、日本企業に対する要求は厳しさを増しています。彼らが特に重視しているのが、ROE(自己資本利益率)の改善と、それに直結する事業ポートフォリオの抜本的な見直しです。また、手元に蓄積された現金をどのように成長投資や株主還元に振り向けるかという「キャッシュアロケーションの最適化」も、投資家が注視する重要なポイントとなっています。自社の経営状況を客観的な指標で可視化し、投資家と納得感のある対話を平時から重ねていくことが、市場からの信頼を高める上で重要になると指摘しました。