【前編】DXで変える水の流れ 〜上下水道におけるDX、イノベーションの方向性を考える〜

【前編】持続可能な地域交通の将来像をどう描いていくべきか? 

地域一体でのビジョン・戦略づくりと地域活性化に向けた取り組みの重要性


「地域交通」は住民の暮らしやウェルビーイングを支える重要な社会インフラであり、地域経済の活性化に欠かせない存在であることは論を待ちません。しかし、その現状は厳しく、急激に悪化する事業環境の中で崩壊の危機に瀕(ひん)しています。

今こそ、地域が一丸となって持続可能な構造へ変革し、地域社会の発展のけん引役へと引き立てていくべき時であり、持続可能な地域交通の将来像を描くための要諦を考えるセミナーを開催しました。



要点

  • 地域公共交通計画の策定に当たっては、「交通のための計画」から「地域のための計画」へと意識を転換し、地域づくりのビジョンと戦略を踏まえた議論が必要。
  • 計画の枠組みづくりの段階から多様な関係者を巻き込み、それぞれの視点で「移動のメリット」を言語化し、共有しながら、需要の掘り起こしについて議論することが必要。
  • 収支改善のために利用を促すと考えるより、移動需要を捉え直し、その結果として地域交通の利用者が増えていくという考え方にシフトすることが必要。



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Section 1

「地域公共交通計画」の現状とアップデートの方向性

セミナーのイントロダクションに登壇したEYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)の竹内稔は、まず次のように述べて、各地が抱える地域交通にまつわる課題の核心に触れました。


「議論の範囲を交通分野に限定し、いかに供給面を『維持』するかという観点だけに捕らわれていると、人材不足などの供給制約が顕在化した現在の局面では、課題解決は望めないと思われます。『何のための地域交通か』の原点に立ち返り、多様な分野の関係者が一体となって、地域交通を地域全体の目線で活用していくビジョンと戦略の構築が重要です。その上で、地域活性化の取り組みによる需要創出も含め、需要に合わせて交通を『活用』していくという発想への転換が求められています」

今回のセミナーはそうした視点に立ち、地域交通や地域づくりに精通する有識者、地域事業者の方々からの話題提供をもとに議論を交わす場となりました。その端緒として、EYSCの白石俊介からは、全国の地方自治体で策定が進む「地域公共交通計画」に関する共同研究の結果報告が行われました。

地域公共交通計画とは、地方自治体が目指すべき地域交通の将来像や、そこへ至るロードマップを明らかにするものです。逼迫(ひっぱく)する地域交通の現状を打破するため、自治体が主体性を持って交通事業者などの関係者と協力し、本質的な対応策の検討を進めていくことが狙いであり、その策定は努力義務化され、2024年8月末時点で全国のおよそ7割に当たる1,100を超える自治体で作成を終えています。

「このように計画策定の量的な進捗は一定レベルに達したものの、計画の質や熟度といった内容面では自治体によって差が見られるのが実情です。そのため、各地での議論の活性化や、計画のアップデートへとつなげることを目的として、地域公共交通計画の現状に関する定量的な傾向分析や背景の考察を進めるための調査研究を行いました」(白石)

この研究は、呉工業高等専門学校、復建調査設計(株)とEYSCの三者が共同で実施。地域公共交通計画に求められる要件を採点基準として整理した上で、中国地方の市町村による83件の計画を対象に、「計画策定プロセス」「計画の内容」「計画策定後の活用」の3つの観点から採点し、あるべき姿との差分の客観的な傾向を抽出しました。

それによると、全体的に見て「現状分析」や「方向性の検討」は十分といえる反面、「ビジョン・戦略に関する議論」や「施策の具体性」「KPIの設定」「モニタリング」については不足する傾向にあることが分かりました。また、これらの結果を採点項目間での相関関係で見ると、ビジョン・戦略に関する議論は、計画内容に関するほぼ全ての項目と相関していました。

「ビジョン・戦略に関する議論をより多く重ねることで、計画全体の熟度が向上し、モニタリングのイメージも明確になり、よって計画の実効性が高まるものと考えられます。そして、おそらくこれらの傾向は全国に共通するものと考えられます」(白石)

以上のことから、今後の地域公共交通計画の策定において留意すべきポイントとして、次の3点を挙げることができます。

  • 「作業から熟慮へ」のシフト
    計画づくりを始める前に、目指す姿・ビジョンといった戦略部分の議論により多くのリソースを投下する。

  • モニタリング・評価プロセスの実務イメージ醸成
    議論すべき内容や実施時期、メンバーなど、年間プロセスをより具体的な作業レベルにまで落とし込む。

  • 国による技術面・資金面でのサポート
    「地域公共交通計画のアップデート」の枠組みにおいて、地方自治体のリソースやノウハウ、知見をサポートする。

これらを踏まえて白石は、「『交通のための計画』ではなく『地域のための計画』に向けて、さまざまな需要に着目しながら交通に閉じない多様な関係者と議論することが重要」と指摘。また、竹内は「交通単独で考えていても地域の将来像を描くことは難しく、実際のアクションにつながる計画も描きにくい」として、「移動の目的である地域づくりと一体で地域交通を捉え、戦略・ビジョンの段階から議論をし、地域公共交通計画へと集約した上で、実際に地域活性化に取り組んでいくべきではないか」と述べました。


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Section 2

「アップデートガイダンス」から読み解く交通計画の本質

続いてセミナーはディスカッションへ。 前述の共同研究にも参画した呉工業高等専門学校教授の神田佑亮氏、復建調査設計(株)主任エンジニアの吉野大介氏の2名に加え、共に広島県庄原市で地域活性化に取り組む庄原商工会議所専務理事の本平正宏氏、備北交通(株)代表取締役会長の山根英徳氏の2名を交え、地域交通と地域づくりに一体的に取り組んでいくためのポイントについて話し合いました。


最初の話題は「地域公共交通計画のアップデートに向けて」。国土交通省は2025年3月、「交通空白」解消に向けた地域公共交通計画の「アップデートガイダンス」を作成しました。その実務にも携わった吉野氏は、ガイダンス作成に至る背景には、計画が策定されても実行段階で十分に機能しないケースが多く見られることや、KPIの設定不足、モビリティデータの活用が進まないなどの実情があったと言います。

また、その解消に向けて必要なアップデートの本質について吉野氏は、「地域戦略上の移動のメリットを言語化し、共有すること」としました。なぜなら、「移動量」はその地域の活性化や域内経済循環と正の相関にあり、移動なしに地域の発展は望めないからです。移動量を確保するには地域交通の活用が不可欠であり、これはそのまま地域戦略へとつながっていきます。

吉野氏によれば、ガイダンスを読み解くと、①課題の観点の体系化(地域交通の存在意義を体系的に言語化する)、②モビリティデータの利活用(データから政策的課題を見つける)、③より実効的な推進体制の構築(関係者間で認識を共有する)、という3つの柱が見えてくるとのこと。以下それぞれ、要点をまとめます。
 

課題の観点の体系化

  • 計画を作る前の「計画の枠組みの検討」段階で体系化を進めることが重要。「どのようなまちにしたいか」の問いに対して、「移動で貢献できる領域」を言語化する。
  • 宇都宮市の場合、デジタル庁の「地域幸福度(Well-Being)指標」を活用するなどして交通戦略の見直しを実施。政策分野ごとに「移動」に関する課題や、「移動」が充実することで得られる利点を整理し、議論を深化させた。その過程で、交通部門と他部門との間に共通言語が生まれ、連携が進む効果も得られた。
  • 「品質保証(公共交通軸と拠点の充実・保証)」と「性能保証(交通空白における移動の確保)」にも着目したい。多くの計画は生活支援を想定した「性能保証」に偏りがちだが、都市交通と生活支援交通の違いを明確にすべき。行政が関わるスタンスも両者によって異なる。
  • また、ガイダンスが設定するKPIの項目に縛られず、地域の実情に応じて指標を検討したい。
     

モビリティデータの利活用

  • 交通分野に加え、人口や地域特性など多様なデータを重ね合わせて「現状診断」に使う。計画作成のためだけでなく、計画実行段階における戦略づくりを支える基盤としても活用すべき。交通事業者ともそれらを共有し、パートナーシップ構築を図りたい。
  • 潜在需要にも目を向ける。重視すべきは「移動量の創出」であり、実際に存在する地域交通の需要だけでなく、それ以外の移動ニーズにも着目。例えば、交通の便が悪いため外出を控える人や、やむを得ず自動車を使う人もいる。
  • 「地域づくり」に対し、交通の切り口から適切に投資する考え方が大切。
     

より実効的な推進体制の構築

  • 「評価」においてはマネジメント・モニタリングチームの活用が推奨される。
  • 自治体と交通事業者が定期的・継続的に連携・共有・協議を行うための組織だが、普段から行っている地域関係者との対話の延長と捉えればよい。
  • できるだけデータを用いて対話し、その結果を法定協議会に報告する。

吉野氏は最後に、「アップデートの狙いは検討の効率化・生産性向上にある」として、「迷った時はまず、ガイダンスを補助線的に用いて検討を進め、プラスαが必要だと感じたら次の手段を講じるなどの柔軟な運用が必要であり、そのプロセス自体が重要」と述べて発表を終えました。

これを受けてEYSC竹内から、小規模で職員も少ない自治体においても、宇都宮市のように部署横断的に議論を進めていくためのアドバイスを求められた吉野氏は、次の3点をポイントとして挙げました。

  • 交通への取り組みが他部署の政策実現にも資するというメリットを示す。
  • 移動の充実により所管業務の生産性が高まることなど、小さなメリットを言語化し、実感値を積み上げていく。
  • 自治体のリソースが不足する場合、外のプレイヤーも活用して他分野からも人財を巻き込む。

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地域交通を起点としたまちづくりに必要な発想と取り組み

では、需要を捉え直すための具体的な取り組みをどう進めるか。「地域交通を起点としたまちづくりに向けて必要な発想と取り組み」について、学識者の立場で各地の地域公共交通計画と関わる神田氏から話題提供がありました。


神田氏はまず、ドイツ南西部の中規模都市マンハイムにおける自動運転バスの写真を示し、まばらな乗客で運賃も安く、さほどの収益があるとは思えない状況で実用に供されている様子を紹介。ここでは市中に一般車両は入れず、バスが高齢者や障がい者の移動手段としても機能しており、「採算重視の視点よりも暮らしやすさの視点で、地域交通のあり方がまちの魅力づくりとセットで考えられている」ことを指摘しました。

神田氏によれば、利用者密度と移動距離の関係から地域交通の手段と特性を分類すると、利用者が少なく距離も短い部分の移動手段が確保できていないことが分かると言います。

「つまり、バスでも自動車でも二輪車でもカバーできず、採算性も低いモビリティギャップの領域があり、ここをどうするかが大きな課題。ところが、多くの場合、大人数の利用者を遠くまで運べて収益も見込めるはずの鉄道や地下鉄が稼げなくなっている問題の方に目を奪われがちです。もっと全体のバランスを見て考えるべきでしょう」(神田氏)

また、地域交通の課題について論じる場合、多くの地域では往々にして、鉄道やバスの利用促進に対立するものとして自動車利用を捉え、そこからいかに人を引き寄せるかといった議論に陥りがちです。しかし、そもそも問題にすべきは地域における移動総量の減少であり、行きたいと思ってもらえる場所をつくるなど、住民の外出回数を増やすことを共通目標に据え、自動車も含む多様な関係者と連携して考えるべきだと神田氏は指摘します。

「例えば、京阪神都市圏交通計画協議会による近畿圏パーソントリップ調査の結果を見ると、働き世代を中心にここ10年ほどで車離れが進んでいるのは明らかで、公共交通が不便なまちは人々に選ばれなくなっている可能性が高い。また、年代別外出率の推移では、若い世代ほど家から出ず、1人当たりの外出数は全世代で減っています。したがって、地域全体の移動回数を増やすため、領域を超えた協調が求められているわけです」

しかしながら、全国の地域公共交通計画を項目ごとの記述分量で分析すると、計画の基本理念や戦略、それを実行するマネジメント体制に関する比率は極めて低く、現状調査や基礎データに関するものが多くを占めると言います。また、自治体担当者の意識としても、ビジョンやマネジメントより現状把握を重視する実態が浮き彫りになりました。

「地域公共交通計画の課題はまさにここにあります。『何のための地域交通か』を置き去りにして、路線の維持ばかりに意識が向いているのではないでしょうか。需要を捉え直すこと、すなわち移動量を増やすことを目標に、地域交通という武器をどう使うかを考える。地域公共交通計画の5年に一度の見直しは、その好機となるはずです」

以上を踏まえて神田氏は、鹿児島県のJR指宿枕崎線に見られる「知る人ぞ知る観光資源」のポテンシャルや、広島県のJR芸備線における価値創出・潜在需要増加に向けた議論、同県福山市でのバス共創プラットフォーム事業など、いくつかの地域交通の取り組み事例を紹介。次のように総括して発表を終えました。

「路線単位での収支を指標としている限り、創造的な計画にはなりにくく、異分野との連携も進みません。机上で考えて事業を実行するこれまでのスタイルから離れ、多様な関係者とチームを組んでやってみて、その結果を見て、試行錯誤をしながら計画を立てていく必要があるでしょう。地域の将来像をどう実現するか、モビリティを起点にみんなで考える。そうした姿勢が求められる時代が来ていると思います」

では、具体的な取り組みを「やってみる」「試行錯誤をする」に当たっての進め方のポイントは? 竹内からの質問に対する神田氏の答えは明快です。

  • 需要の創出は行政単体ではできない。地域の多様なプレイヤーを巻き込み、それぞれが「事業・ビジネス」として実行できるようにして、仲間を増やしていく
  • プレイヤー同士を結ぶ共通言語を「交通の価値」として、その可視化・定量化を進める
  • 異分野から交通に期待する価値は少なくない。金銭的価値に限らず、数値にできない定性的な価値にも目を向ける
  • 地域の将来像やビジョンを定めることが先決。全ての議論はそれが前提となる

続くディスカッション後半では、「地域交通を活用した地域づくり、地域活性化の取り組み」をテーマに、広島県庄原市と備北交通による取り組みを話題に取り上げました。詳しくはレポート後編をご覧ください。


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サマリー

既存のインフラをいかに維持するかの視点だけに縛られると、地域交通の見直しや、新たな需要の掘り起こしは困難です。将来ありたい地域のビジョンと戦略を構築し、そこへ向けた「地域づくり」と一体に、地域交通の在り方を考えることが重要です。



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