EYメガトレンド

スーパーフルイド・エンタープライズは、組織のあり方をどのように再構築して競争力を高めるのか


自律型AI、スマートコントラクト、デジタルツインの活用で、スーパーフルイド(超流動型)・エンタープライズ、すなわち業務運営上の摩擦のないフラットなネットワークを実現できます。


要点

  • スーパーフルイディティ(超流動性)へと移行するには、「AIによる業務支援」「自律的協調」「完全なるスーパーフルイド・エンタープライズ」といった3つの段階を経る必要がある。
  • 将来的には、ルーティン業務は自律型システムに任せ、人間は戦略的方向付けや倫理的な境界設定、エコシステム内の関係性構築に集中することになる。
  • リーダーは、AI主導の業務運営の時代に備えて、ハイブリッドガバナンスの構築、人材戦略の変革、競争優位性の再定義を行う必要がある。


EY Japanの視点

摩擦の峻別と現場力の再定義 ― 日本企業のスーパーフルイド・エンタープライズへの移行

日本企業は、稟議、会議、部門間調整、手作業による確認といった多くの摩擦を人手で吸収してきました。人口減少が進む中、このモデルには限界があります。まず自社の摩擦を可視化し、AIエージェントやデータ連携基盤によって削減できる領域を特定することが出発点です。
 
ただし、重要なのは摩擦の一律除去ではなく、その峻別(しゅんべつ)です。根回しや、部門横断・現場での多面的な検証には、暗黙知を共有し、実行時の整合性を高める「生産的な摩擦」が含まれます。どの摩擦をAIに委ね、どれを人間の判断領域として残すか。この設計こそが、日本企業固有の超流動化の課題です。
 
業務の自律運用が進み、ホライズン3に近づくほど、人間が担う判断の質、例外対応力、信頼形成が差別化の源泉となります。スーパーフルイド(超流動型)・エンタープライズとは、AIツールの導入そのものではなく、限られた人材と組織能力を、より直接的に価値創出へつなげるための経営アジェンダです。同時に、日本企業が培ってきた現場力を、AI時代の競争力として再定義する取り組みでもあります。
EY Japanの窓口

本記事は、「EYメガトレンド」シリーズの「Preparing for the human-machine hybrid era」でご紹介しているインサイトの一部です。

グローバルな製造企業の最高執行責任者(COO)であるSaraは、そう遠くない未来のある月曜日を迎えています。押し寄せるメールや会議の嵐ではなく、彼女が確認するのは、自社の自律型人工知能(AI)システムが夜間に生成したレポートです。彼女が眠っている間に、スマートコントラクトで締結されたパートナーシップによりサプライチェーンの問題が3件自動的に解決され、2件の新規サプライヤー契約の交渉・履行が行われていたほか、予知保全のアルゴリズムが部品の事前手配と技術者のスケジュール調整を行うことで、4件の潜在的な設備故障を未然に防ぐことができました。週末、彼女は一切邪魔されることなく過ごしたにもかかわらず、会社は休みなく最高の効率で動き続けていたのです。

彼女の役割は大きく変わりました。日々の危機対応や部門間の終わりなき調整会議はもはや彼女の仕事ではありません。その代わりに、彼女は自律型パートナーで構成された柔軟なネットワークの中で戦略的意思決定をリードし、高レベルの目標を設定します。かつて彼女の時間の60%を占めていた複雑な調整作業は、AIエージェントが担っているのです。

これはSFの話ではありません。新たに台頭しつつある現実なのです。これを私たちは「スーパーフルイド(超流動型)・エンタープライズ」と呼んでいます。スーパーフルイド・エンタープライズでは、業務上の摩擦がほぼ取り除かれて、データ、人材、資本の流れが従来の縦割りの壁を越えて、スムーズかつスピーディーになります。部門間の連携はシームレスに行われ、外部パートナーはスムーズに統合され、価値はデジタル実行と同等のスピードで流通するのです。スーパーフルイド・エンタープライズはますます自律性が向上しており、自律型AIエージェントとスマートコントラクトによって24時間365日稼働し、市場の変化に即座に対応できるようになる一方、人間は戦略、創造的作業、判断に注力することができます。その結果、生まれる組織構造はフラットであり、階層的な組織図ではなく、ネットワークを中心に編成される。それによって企業は、状況に応じて速やかに自らを再編し、従来の階層型組織をまひさせてきた障壁を回避できます。

長年にわたり、成功する組織は、「摩擦の管理」に長けてきました。摩擦とは、意思決定を遅らせ、調整を妨げ、運営コストを押し上げるさまざまな障壁のことです。では、その摩擦がなくなったとしたら、どうなるのでしょうか。エージェント型AI、量子コンピューティング、ブロックチェーンを活用したスマートコントラクト、分散型自律組織(DAO)など複数のエマージングテクノロジーが融合し、こうした従来の障壁を取り除き始めています。その結果、これまで摩擦を生む大きな原因であった領域を超えて、情報、意思決定、価値がスムーズに流通する組織が形成されていくでしょう。

この変革は経済的観点から見ても、緊急性があり、必然性があります。Gallup社の「2024 State of the Global Workplace Report」によると、従業員エンゲージメントの低下によって、世界経済では生産性の損失として毎年、8兆8,000億米ドル分のコストが発生しています1。これは世界のGDPの約9%に相当します。米国企業だけでも、不要な会議、プロセスの重複、コミュニケーション不全など職場のインシビリティ(他者に対する配慮や思いやりの欠如)により、1日に約21億米ドル、年間で7,660億米ドル強の損失が出ているのです2。非効率な会議や冗長な承認プロセス、情報のサイロ化など社内の摩擦により生じるコストは従業員1人当たり平均で年間1万5,000米ドルに上ります。データのサイロ化だけを見ても、業務の非効率化を招き、組織の収益を20%~30%も押し下げています3


AIを活用した自動化とスマートコントラクトによるガバナンスを通じて、こうした摩擦の軽減に成功した企業は極めて大きなリターンを報告しています。AI投資に対して2~3倍のROI、業務コストの35%~50%削減、サイクルタイムの50~70%短縮です4

スーパーフルイディティの経済的合理性は何十年も前から存在しましたが、テクノロジー、サステナビリティ、地政学といった基盤トレンドの進展を背景に、それは今や現実的かつ喫緊の課題となりつつあります。技術の進歩により、企業は、これまで不可能だった方法で、業務運営上の摩擦を取り除けるようになりました。例えば、AIの急速な進化、ブロックチェーンと量子コンピューティングの成熟が挙げられます。いずれも、テクノロジーが急速に進化して、企業が気づかないうちに臨界点(ティッピングポイント)に到達するような環境によって加速しています(いわゆるAIの「ChatGPTモーメント」がその典型例です)。さらに、資源の制約と気候危機の深刻化により、より効率的なサプライチェーンが求められています。一方、地政学的な不確実性は、変化に迅速に対応できる業務構造の必要性を高めている。これらすべてが、スーパーフルイド・エンタープライズの魅力を一段と高めています。

今日のリーダーに突きつけられている問いは、この変革が起きるかどうかではありません。自社がその変革を主導するのか、それとも超流動性をいち早く取り入れた競合他社に押し流されるかです。

この変革は、競争力を追求する最高経営責任者(CEO)、分散型の市場開拓の取り組みを管理する最高マーケティング責任者(CMO)、複雑なプロセスの効率化を図る最⾼執⾏責任者(COO)、拡張性を備えたインフラ構築する最高技術責任者(CTO)、不安定な市場においてレジリエンスを守る最高リスク責任者(CRO)にとって極めて重要です。各役職はそれぞれ固有の課題に直面しています。CEOはこれまでとは著しく異なる競争環境に備えて自社を位置付けなければならず、CMOにはグローバルなセールス活動とパートナーシップを調整する自律型システムが必要です。COOには調整上のボトルネックを取り除くために、継続的な業務運営が求められます。CTOは24時間365日の自律的な実行を可能にするプラットフォームを設計する必要があり、CROは迅速な再構成を可能にしながら、ガバナンスを維持する適応型フレームワークを実装しなければなりません。長期戦略を監督する取締役会にとって、超流動性という概念を理解することは、経営陣が次の10年のビジネス環境に備えた組織づくりをしているかどうかを評価する上で不可欠です。

背景に青い海が広がるクローズアップ
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第1章

スーパーフルイド・エンタープライズに向けた取り組み

AIをはじめとするテクノロジーは組織のあり方を変革しつつあります。摩擦を取り除き、俊敏性を高め、リーダーが真にスーパーフルイド・エンタープライズを構築することを支援しています。

代表的な変革の道筋

スーパーフルイド・エンタープライズへの進化は、3つの明確な段階を経て進むと考えられ、それぞれの段階で次に進む上で不可欠なケイパビリティを構築していきます。この3つのフェーズを理解することで、組織は成功に必要な投資計画の策定と組織文化の変革を的確に進めることができます。これが実際にどのように展開されるかを見るために、Saraの歩みを各フェーズに沿って追ってみましょう。


ホライズン1:基盤構築

Saraが出社すると、AIアシスタントが昨夜の作業をまとめたレポートが用意されています。彼女の会社では、サプライヤーへの定型的な支払いにスマートコントラクトを導入していますが、5万米ドルを超える契約についてはまだ彼女の承認が必要です。3つのAIエージェントが、天候パターンや関税交渉を含む地政学関連のニュースに基づき、潜在的なサプライチェーンリスクを検知しました。彼女はその提言を検討の上、どの代替サプライヤーを起用するか判断します。午前中に、3件のビデオ会議が予定されています。1件目はAIガバナンス委員会との会議で、エージェントのパフォーマンス指標をレビューします。2件目は工場長との会議で、人間とAIの協働トレーニングの成果に関して話し合います。3件目は税務部門との会議で、代替サプライヤー利用に伴う税務上の影響について議論します。

 

基盤構築段階の組織は、従来の事業構造を維持しながら、AIネイティブなケイパビリティの構築を進めます。特に注力すべきなのは、インフラの構築、スマートコントラクトの試験導入、人間とAIの協働スキルの向上です。Saraの一日の業務時間は、AIが定型的な調整を処理してくれるため、40%短縮されています。しかし、戦略的な意思決定や例外対応については依然として深く関与しています。

 

成否を左右するのは、3つの指標(従業員のAIツール利用率70%、プロセスのサイクルタイム30%短縮、パイロットプログラムにおける150%超のROI)を達成できるかどうかです。この体系的なアプローチの好例が、AIによる自動化を全体的に進める組織です。グローバル企業の78%が現在、1つ以上の業務領域でAIを活用し、71%が生成AIを日常的に利用しています。こうした取り組みを見ると、構造化されたガバナンス、パイプライン管理、レジリエントなアーキテクチャ設計を通じて、企業が概念実証(PoC)から全社規模の変革へと慎重に規模を拡大させていることが分かります5

 

この領域で最も先行しているのは、データを活用した業務運営を行い、複雑なリスク管理ニーズを持つ金融機関です。サンタンデール銀行の「One Pay FX」は、ブロックチェーンを利用して取引の正確性とセキュリティを確保する仕組みです。顧客に対してより迅速かつ低コストの国際送金を提供するとともに、欧州市場におけるブロックチェーン活用のリーダーとしての地位確立にも寄与しています6。分散型金融(DeFi)プラットフォームでは今や、2,140億米ドルを超える資産が運用されており、自動化された金融サービスに対する市場の強いニーズを示しています7

 

ホライズン2:自律的協調

Saraの月曜朝のルーティンは大きく変わりました。彼女はダッシュボードを確認し、AIエージェントが一晩のうちに15件の業務上の問題を自律的に解決し、サプライヤーの遅延に対応して生産スケジュールを調整したほか、スマートコントラクトによる自動入札を通じて3社のベンダーとより有利な条件で交渉したことを把握します。そのおかげで、Saraは戦略的なパートナーシップの推進、AIの意思決定に対する倫理的レビュー、業界横断のエコシステムパートナーとの協働に重点的に時間を割くことができます。AIの担当範囲を超える複雑な品質問題が生じた場合、システムはその問題を自動的にSaraにエスカレーションします。その際、十分な背景情報と複数のAIエージェントから提示された解決案も合わせて提供されます。

 

第2のホライズンは「ヒューマン・イン・ザ・ループ(人間の関与)」から「ヒューマン・オン・ザ・ループ(人間とAIの協働)」への転換点を示しています。この段階では、組織は量子強化型のAIシステムを採用して、複雑な最適化を行うと同時に、人間による監督とアルゴリズムによる意思決定を組み合わせたハイブリッドなガバナンスモデルを実装します。Saraの役割は、業務管理者から、戦略的なオーケストレーターへと変わりました。AIエージェントが定型的な意思決定の80%を担う一方で、人間は例外対応、創造的作業、倫理的な監督に注力することができます。

 

目標には「定型業務における意思決定の80%の自律化」「市場変化への対応速度の50%向上」、そして「エコシステム連携による200%超のROIの実現」が含まれます。ヘルスケア領域の変革は、従来分断されてきた医療提供者の枠を越えて患者アウトカム(治療結果)を統合型に管理するケア・エコシステムを通じて、このホライズン2に重点を置いています。また、医療記録にブロックチェーンを活用することで、プライバシーとセキュリティを確保しながら、患者情報の共有方法を本人が管理できるようになります。ヘルスケアは、2030年までにブロックチェーンの市場浸透率15%を目指す領域とされています8

 

Saraの会社のような製造業の企業は、従来の組織の枠を超えて、生産能力、専門知識、市場アクセスを動的に調整する適応型の生産ネットワークを通じて、このフロンティアに取り組んでいます。分散型製造プラットフォームを活用することで、大規模な生産インフラへの投資を必要とせずに、迅速な製品開発と市場参入が可能になります。その結果、市場投入までの時間を50%~70%短縮し、必要な資本も60%削減することができます9

 

ホライズン3:スーパーフルイディティ(超流動性)

Saraが担う役割は、2025年当時とはほとんど別物になっています。彼女は現在、戦略的ビジョン、創造的な問題解決、会社の自律型オペレーションが人間の価値観や社会的インパクトの目標と整合しているかを確認することに注力しています。会社のAIシステムが顧客獲得から製品納入まで業務全体をエンド・ツー・エンドで管理していますが、Saraはいつでも確認できるデジタルツインを通じて、透明性を確保しています。AIシステムが提示する新市場参入に向けた戦略的提言の確認や、グローバルおよび各国・地域の税法や規制を継ぎ目なく分析した上で自律型な意思決定がもたらす倫理的影響を評価します。また、エコシステムに属する他の人間のリーダーと協働で、人間ならではの判断、共感、創造的思考が必要な課題に取り組みます。

問われているのは機械が意思決定を下せるかどうかではなく、最も重要な意思決定に対して、人間の主体性をどのように維持するかです。

第3のホライズンは、自律型オペレーションを全社規模に拡大する段階です。この段階では、人間は戦略的な指針の提示、創造的イノベーション、倫理的な監督に集中することができます。高度なAIシステムが組織の再構成をリアルタイムで担いますが、パーパスと価値観に対する人間の説明責任は維持されます。この段階で組織は、90%超の自律型オペレーションを達成しつつ、創造性、ストーリーテリング、戦略的思考を通じて、人間ならではの新たな価値を生み出していきます。

EY Americas Responsible AI LeaderのSinclair Schullerは、これを「アルゴリズムの速度で行うガバナンス」の課題として説明しています。「私たちは、戦略的意思決定における人間の説明責任を確保しながら、自動的に機能する高度なフレームワークを通じて他のAIを監視できるAIシステムを必要としています。問われているのは機械が意思決定を下せるかどうかではなく、最も重要な意思決定に対して、人間の主体性をどのように維持するかです」

このホライズンも依然として理論的な段階から脱していませんが、初期の兆候を見る限り、最初の2つのホライズンを習得した組織は、高度なAIケイパビリティが成熟して、自律型ビジネスオペレーションを完全にサポートできるようになれば、最終目的である変革を主導する準備が整っていると考えられます。

Saraの役割の変化は、業務上の摩擦の管理から、自律型ネットワークのオーケストレーションへと根本的にシフトすることを物語っています。彼女はホライズン1で、AIをアシスタントとして活用し、協働することを学び、ホライズン2で、AIエージェントを率いる戦略的指揮者になり、ホライズン3で、人間のパーパスに資する自律型オペレーションを確保する創造的なビジョナリーへと進化しました。どのホライズンにおいても、週末に仕事に邪魔されることがない一方、自律的に処理される業務の範囲と複雑性は、定型業務からビジネスエコシステム全体へと拡大していきます。

スーパーフルイド・エンタープライズが、超流動型の市場と経済をどのように促進するか

90年近く前、経済学者のRonald Coase氏は、企業は業務上の摩擦を取り除くために存在すると提唱しました。とはいえ、企業はスイッチングコストや情報の非対称性など外的摩擦の一部を維持させることで恩恵も受けてきました。これらは経済的なモート(堀)を築き、企業により大きな市場支配力と競争優位をもたらしてきました。

超流動性への移行に伴い、こうした摩擦に基づく優位性は、戦略上の脆弱性へと変わっていきます。つまり、スーパーフルイド・エンタープライズは企業の壁を越えて影響を及ぼし、市場や経済そのものをも超流動化させる可能性があるのです。

競争力学を変えつつある3つの重要な変化を考えてみましょう。

  • スイッチングコストの低下:従来のスイッチングコスト、例えば、データ移行の複雑さ、再トレーニングの必要性、統合の課題などは、AIシステムがあらゆるプラットフォーム間の変換を自動で行えるようになるにつれて低下しています。スマートコントラクトにより、最も複雑なベンダーの移行ですら自動化できるため、スイッチングコストを数百万ドル~数千ドルに削減し、必要な期間も数カ月~数日に短縮することが可能です。
  • 情報の民主化:多くの成功企業は、情報の流れをコントロールし、情報の非対称性を維持することで防御力を築いてきました。しかし、今日、AIシステムは、市場インテリジェンス、価格データ、業務上のインサイトをより多くの人がアクセスできるものへと変えています。かつては専門アナリストが数週間かけて収集していた情報も、今ではAIエージェントが瞬時に生成、検証し、実行に移せるようになっています。
  • 調整の自動化:複雑なサプライヤーネットワーク、規制要件、マルチステークホルダー間の調整はかつて、新規参入に対する自然な障壁を生み出していました。優れた調整能力を有する組織が、持続的な優位性を享受していました。スーパーフルイド・エンタープライズでは、自律型AIエージェントがこうした調整業務を高度に遂行するようになり、参入障壁としての調整の複雑さの重要性は低下しています。

決済の摩擦軽減におけるこの中核的シフトの好例が、JPMorgan Chase社のブロックチェーンを活用した決済プラットフォーム「Kinexys(旧称:Onyx)」です。同プラットフォームは、国境を越えた決済にブロックチェーン技術を活用することで、従来のコルレス銀行システムで必要とされていた2、3日ではなく、24時間365日、数分単位でのリアルタイム決済を可能にしています。リリース以来、Kinexysは1.5兆米ドルを超える取引額を処理し、今では1日当たり20億米ドル超の取引を管理しています。決済量も前年比で10倍の伸びを示しています。同プラットフォームは、米ドル、ユーロ、英ポンドで海外FX取引をほぼ即時に実行できるようにしています。これにより、新たなビジネスを呼び込み、革新的なサービスモデルの創出につながる競争優位を生み出しているのです10

こうした転換に成功している企業は、「摩擦」に基づく防御策を維持しようとしていません。むしろ、まず摩擦を取り除くことを目指しています。その上で、従来とは逆の形で成長するネットワーク効果とエコシステムの便益を築き上げようとしています。超流動型プラットフォームに参加するパートナーが増えるほど、こうした企業は誰にとってもより価値のある存在となり、従来の摩擦を利用した戦略では太刀打ちできないほどの好循環を生み出していきます。

超流動性の実現に向けたセクター別の道筋:異なるタイムラインと独自のアプローチ

超流動性の実現に向けた取り組みは、規制の枠組み、データ要件、競争力学、テクノロジーの発展状況によって、セクターごとに異なるものとなるでしょう。こうしたパターンを理解することは、組織が変化を予測し、業界を超えたイノベーションの機会を見いだす上で役立ちます。以下にいくつかの例を示します。


画面いっぱいに並ぶ、色とりどりの液体が入った瓶
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第2章

スーパーフルイド・エンタープライズの構成要素

スーパーフルイド・エンタープライズを構築するには、複数のテクノロジーを組み合わせ、かつ、人間と機械のハイブリッドなパートナーシップを見直す必要があります。

テクノロジーの融合

スーパーフルイド・エンタープライズは、互いに同期しながら調和して機能する、3つの中核技術を活用しています。

 

1. 調整を担うエージェント型AI

スーパーフルイド・エンタープライズでは、高度なAIエージェントが個々の作業を自動化するだけでなく、組織の枠を超えた、複雑なマルチステップ・プロセスの調整まで行います。このAIエージェントはコンテキストを理解し、定められたパラメーター内で決定を下し、人間の介入なしに状況の変化に合わせて対応することができます。

 

実世界での導入実績がこの可能性を示しています。CrewAI社のエンタープライズ向けプラットフォームは、AIエージェント同士が複雑なプロジェクトで協働できるようにしています。Fortune 500 企業の60%が現在導入しており、これを実装した一部企業では、部門全体の調整業務を代替しています。チームは、創造的な問題解決に費やす時間が60%増加し、進捗報告や事務的な調整に費やす時間が40%減少したと報告しています11。JPMorgan社の自律型決済システムは、かつては大規模な人的調整が必要だった複数の銀行業務機能を連携させています12

 

2. ガバナンスを担うスマートコントラクト

ブロックチェーンを基盤とするスマートコントラクトは、人間による解釈と執行を必要とする従来の契約に代わるものです。事前に定められた条件が満たされると自動的に実行され、ビジネスプロセスを完全な一貫性と透明性を保ちながら、アルゴリズムの速度で稼働させることができます。企業での導入は急速に進んでいます。大規模な組織(従業員1万人超)がスマートコントラクト利用全体の60%を占め、世界の組織の90%がブロックチェーン技術の導入に着手しています13

 

Power Ledger社のブロックチェーンプラットフォームは、エネルギーセクターにおけるこの可能性を示しています。このシステムは、スマートコントラクトを通じて、ピアツーピアのエネルギー取引を可能にしています。買い手と売り手を自動的にマッチングし、支払いを処理し、再生可能エネルギーの配分を最適化します。プラットフォームの参加者は、エネルギーコストを15%~25%削減しながら、再生可能エネルギーの利用を40%増やしています。従来の電力会社による調整システムでは、到底実現できなかった成果です14

 

3. 可視化を担うデジタルツイン

企業の物理的なオブジェクト、プロセス、システムを動的に仮想空間上に再現したデジタルツインは、自律型オペレーションにこれまでにないレベルの透明性とコントロールをもたらします。AIエージェントが財務機能の大部分を担うことになれば、デジタルツインはそのプロセスの監査可能なモデルをリアルタイムで生成することができます。完全に自律型のオペレーションであっても、人間による監督を維持することができます。デジタルツインの高度な実装では、予測精度が90%~95%に達します。ちなみに、従来型のモニタリングシステムの予測精度は60%~70%です15

 

企業データを安全かつ、コンプライアンスに準拠した形で活用しながら、自律的連携を可能にできる組織が、いち早く超流動性を実現するでしょう。勝者となるのは、単に最高のAIを持つ企業ではありません。AI、スマートコントラクト、人間の創造性をオーケストレーションして、従来の階層型組織よりも迅速に適応するシームレスなネットワークとして統合・運用できる企業です。

 

人間が担う領域:人間とAIのハイブリッドなパートナーシップの構築

最も効果的な超流動型の変革は、人間を置き換えることではなく、純粋な自動化だけでは到達できない形で人間の能力を強化するパートナーシップの形成に焦点を当てています。人間とAIを組み合わせたハイブリッド型のアプローチが、人間単独、あるいはAI単独よりも優れたパフォーマンスを発揮することは、研究で一貫して示されています。

人間、AI、そしてナラティブを組み合わせることで、人間が単独で作業したときより創造性が265%高まるのに対して、AI単独の場合、この数字は120%にとどまります。

Global Entrepreneurship AllianceのCEOであり、「The Generative Organization」の著者でもあるBryan Cassady氏の研究から興味深い傾向が浮かび上がってきました。「人間、AI、そしてナラティブ、すなわち、データから意味、コンテキスト、戦略的方向性を読み解き、AIが生成したインサイトを説得力のあるストーリーに落とし込むという、人間だけが持つ能力を組み合わせることで、人間が単独で作業したときより創造性が265%高まるのに対して、AI単独の場合、120%にとどまります16」これは、「AIの価値は人間の労働を代替することにある」という通説に疑問を投げかけています。むしろ、最大の恩恵は、人間もAIも単独では達成できない相補的な能力から生まれることを示す結果です。

スーパーフルイド・エンタープライズで重要性が高まる人間のスキルは以下の3つです。

  • コンテキストエンジニアリング:AIは、設定された範囲内での情報処理が得意ですが、複雑なマルチステークホルダー・エコシステムにおいて、問題を定義し、制約を定め、成功基準を定める上では、依然として人間が重要な役割を果たすことになるでしょう。コンテキストエンジニアリングでは、組織の価値観やステークホルダーの期待に沿いながら、戦略目標をAIエージェントが実行できる枠組みへと落とし込むことを指します。
  • 戦略的思考:人間は「私たちは本当に正しい問題を解いているのか」という極めて重要な問いを投げかけることに秀でています。AIシステムが、設定された条件の中で絶え間なく最適化を続ける中、人間の戦略的思考は「メタ・イテレーション」へとシフトしていきます。これは、一歩引いてシステム全体のパフォーマンスを評価し、自動化されたプロセスをより価値の高い目標へと軌道修正する能力です。そのためには、複数の領域に共通するパターンを認識し、誤った目標に向けて最適化しているシステムの軌道修正を行うタイミングを把握しなければなりません。
  • ストーリー駆動型イノベーション:人間のストーリーテリング能力は、AIによる分析と組み合わさることで、イノベーションの強力な推進役となります。ストーリーは単独では人間の創造性を45%高めるにとどまりますが、AIが生成したインサイトと組み合わせると、純粋なデータ分析だけでは到達できない、画期的なイノベーションを可能にします17。重要なのは、人間がAIの生成したデータポイントを受け取り、それをチームの意欲を高め、予算を確保し、戦略的変革を推進する魅力的なビジネスケースへと変換できるかどうかです。AIのインサイトを解釈し、魅力的なナラティブに落とし込める人は「メガエキスパート」になります。メガエキスパートとは、人間とAIの協働に優れた人です。実際、企業の55%がAI関連の人員削減について誤った判断を下したことを認めており、AI変革における人間の役割の重要性を浮き彫りにしています18

働き方の未来を考えるワークフューチャリストのDr. Terri Hortonは、人間とAIの協働を成功させるには、AIシステムを人間のようなパートナーとしてではなく、高度なツールとして扱いながら、人間とAIの双方が明確に定義されたビジネス目標に貢献するようにすることが不可欠だと強調しています。

こうした移行をうまく進めている組織は、目標が代替による単なる効率化ではなく、協働による増幅であることを理解しています。AI投資に対して最も大きなリターンを得ている企業は、人間ならではの能力を生かす形に業務を再設計し、機械がより効果的に遂行できる調整・分析・実行といったタスクはAIに任せています。

透明性の高い世界における競争優位の再定義

スーパーフルイド・エンタープライズがかつてないレベルの透明性と、AI能力への普遍的アクセスを確保できたとしたら、組織は持続可能な競争優位をどのように築けばいいのでしょうか。その答えは、情報のコントロールや障壁の維持ではなく、新たな差別化の源泉となる、3つの要素を習得することにあります。

  • 適応の早さ:すべての企業が同じようなテクノロジーにアクセスできるとしても、競争優位を獲得するのは、最も早く自らを再構成できる企業です。AIエージェント、スマートコントラクト、そして人間の創造性を迅速に連携させることに長けた組織は、市場の変化に数カ月ではなく、数時間で対応し、時間とともに拡大する時間的優位性を生み出すことができます。
  • ネットワーク・オーケストレーション:成功は内部リソースの管理ではなく、複雑なエコシステムを調整する力にますます左右されるようになっています。有益なネットワークの中心的なノードとなる企業は、その優れた調整力で最高のパートナー、サプライヤー、人材を引きつけ、同じようなテクノロジーを持っていても容易には模倣できないポジションを築くことができます。
  • パーパス駆動型イノベーション:AIによってオペレーショナル・エクセレンスがコモディディ化する世界では、競争優位は人間中心の価値創造へとシフトします。適応力のある能力と、共感を呼ぶミッション、倫理原則、創造性主導のイノベーションを融合させた組織は、純粋な効率性だけでは実現できないロイヤルティと差別化を育むことができます。

超流動型市場で成功を左右する特性は、技術的優位性ではありません。人間の創造性とAIの調整力を絶えず融合させ、つながり合ったステークホルダーのネットワークに対して独自の価値を生み出す組織能力です。

波紋が広がる水に差し伸べた手のクローズアップ
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第3章

リーダーが取るべき行動

リーダーはスーパーフルイド・エンタープライズのオペレーションへの移行に備えて、テクノロジー基盤を構築し、ガバナンスを進化させ、人材を育成する必要があります。

超流動型オペレーションへの移行は1つの道のりであり、私たちはまだ、ホライズン1の段階にいます。ホライズン3に到達するには、自律型ビジネスオペレーション、スマートコントラクトの法的強制力、AIの意思決定に対する責任、税務環境の変化などに関わる規制の不確実性をはじめ、レガシーシステム連携の複雑さ、データ品質の確保、相互運用性の実現に至るまで、さまざまな課題に対処しなければなりません。

それでも、ビジネスリーダーが超流動性への移行に向けた基盤を構築し、それを実現するために今取り組めること、そして取り組むべきことは数多くあります。以下にビジネスリーダーが、ホライズン1で実行できる5つの短期的なアクションを示します。これらは同時に、ホライズン2とホライズン3への移行に備えるための土台にもなります。

1. テクノロジー基盤を整備する

AI対応とエコシステムとの互換性確保に備え、現行のテクノロジー環境を評価します。また、データのサイロを解消し、既存のシステムを接続し、AIツールが確実に稼働する安定したプラットフォームを構築するテクノロジーに投資します。このような基盤を築くことで、AIシステムは複雑な、あるいは予測困難なビジネス環境でも、必要な情報にアクセスし、相互に効果的に連携できるようになります。

超流動型への変革の成果は累積的な取り組みです。ケイパビリティの構築に今すぐ着手する組織は、競合他社による模倣が次第に難しくなる優位性を築くことができます。企業データを安全かつ、コンプライアンスにのっとって解放できた組織こそが、最初に超流動性を実現します。データ品質、統合能力、AIネイティブなアーキテクチャへの早期投資は、時間の経過とともに複利的なリターンが生まれ、持続的な競争優位をもたらす組織的ケイパビリティが形成されます。

「完璧な」AIソリューションの出現を待っている組織は、継続的改善のアプローチで現在の能力を積極的に取り入れたエコシステムパートナーから、次第に取り残されていくでしょう。完璧であることよりも、前に進むことの方が重要なのです。不完全であっても改善を続けるシステムを今すぐ導入し始める企業こそが、後発企業が短期間では獲得できない専門性、パートナーシップ、インフラを築き上げていくことができます。

2. 超流動性の導入とともに進化するガバナンスを確立する

テクノロジーリーダーの4分の3(75%)が自律型システムの導入における最大の懸念事項に挙げている一方で、包括的なAIガバナンス委員会を設置している組織は18%にとどまっています19。このガバナンス上のギャップは、システムの自律性が高まるにつれて、説明責任、コンプライアンス、倫理的な意思決定に関わる深刻なリスクを生み出します。一方、包括的なAIガバナンスの枠組みがある組織は、変革の成功率が著しく高いことが報告されています。現在、78%の組織が少なくとも1つの業務機能でAIを利用しています。その中でも、体系的なアプローチを採用している組織は、拙速かつ場当たり的に導入を進めている組織に比べ、より優れた成果を上げています20。

人間による戦略的な監督とAIを活用した業務上の意思決定を組み合わせた枠組みであるハイブリッド・ガバナンス・モデルを構築すべきです。こうしたシステムでは、人間が目標を定義し、倫理的な境界を定め、成果をモニタリングします。一方、AIシステムは、あらかじめ定められた範囲内で定型的な判断を担います。まずは、事業上の重要度が高くない領域でパイロットプログラムを開始し、明確な成功指標を設定した上で、成功した手法を組織全体へ拡大するための枠組みを整備します。これらのシステムの信頼性が実証され、ステークホルダーの信頼が醸成されるにつれて、組織は自律的な意思決定の範囲を段階的に拡大していくことができます。ただし、戦略的な方向性については、人間が説明責任を維持し続ける必要があります。

そのためには、従来の承認プロセス、リスク管理の枠組み、品質保証システムの見直しが必要です。超流動型のガバナンスでは、プロセスを管理することよりも、条件や制約の設定と成果のモニタリングに重点が置かれます。リーダーは、戦略的方向性と倫理的な境界に対する明確な説明責任を引き続き負いながら、業務上の意思決定を独立して行うシステムに慣れなければなりません。根本的な変化は、「すべての意思決定を承認する」ことから「意思決定が自社の価値観や目的と整合していることを確認する」ことへの移行です。

3. 主要な人材スキルを構築し、組織文化変革に着手する

CIOの58%がクラウドコンピューティングのスキルが最も不足していると報告しています。また、組織の40%がスキルギャップを変革の最大の障壁に挙げています21。高度なオペレーションへの移行には、技術的な知識とビジネス戦略、倫理的推論を組み合わせた新たなスキルが求められますが、こうしたスキルは現在市場で極めて不足しています。

 

コンテキストエンジニアリング、戦略的思考、ストーリー駆動型イノベーションなど、従業員の重要なスキル開発に、体系的に投資すべきです。成功はビジネスへの影響で測ります。労働時間や完了タスク数のような従来の生産性指標ではなく、AIを活用して従業員が収益拡大、顧客獲得、競争優位にどのように貢献したかを追跡します。研修プログラムは、従来のスキル代替や純粋な技術研修ではなく、人間とAIの協働に焦点を当てます。

 

スーパーフルイド・エンタープライズへの変革には、スキル開発と同様に、文化変革も不可欠です。従業員は、AIエージェントを単なるツールとしてではなく、協働パートナーとして活用することを学び、定型的な意思決定をAIに委任することに慣れ、より価値の高い創造的かつ戦略的な業務に集中することで成長を遂げることができるでしょう。

 

この文化変革における主要な課題はテクノロジーではありません。経営陣が戦略的な監督を維持しながら、業務上の統制を手放せるかどうかです。従来の経営では、重要な意思決定は、人間の監督に依存していました。しかし、自律型オペレーションでは、定められた範囲内で業務上の判断を行うためのシステムへの信頼が必要になります。

 

4. エコシステム戦略を見直す

自社の価値ネットワークを体系的にマッピングし、スマートコントラクトの自動化と組織横断的な連携の機会を洗い出しましょう。まずはシンプルな二者間協定から始め、ケイパビリティの向上に合わせて、複雑なマルチステークホルダーのオーケストレーションへと発展させていきます。目標はネットワーク効果を生み出し、組織をエコシステムパートナーにとってより価値のあるものにすることです。

 

成功するエコシステム戦略は、独自の優位性を維持することよりも、すべての参加者にとっての摩擦を取り除くことを優先します。スイッチングコストを上げるのではなく、下げることは、直感に反するように思えるかもしれません。しかし、オープンソース・ソフトウェアのモデルが示すように、市場への浸透を促進する上で非常に効果的であり、ネットワーク効果と協働による価値創造を通じて、より強力な競争力を構築することができます。

 

5. 組織構造と人材管理を変革する

超流動性への移行は、組織設計の根本的な変革を必要とします。従来の階層型組織構造と厳格な指揮系統は、相互接続されたAIエージェントと協働する、よりフラットな経営幹部ネットワークへと置き換わっていくでしょう。この変化は、人材管理の3つの主要な領域に影響を与えます。

  • リーダーシップの育成:経営幹部が、従来の報告体制を監督するのではなく、AIエージェントのネットワークを調整できるよう準備する。リーダーは引き続き戦略を監督しながらも、分散型の意思決定に慣れる必要がある。
  • 役割の再設計:人間が行う作業だけではなく、人間とAIの協働を中心に役割を再考する。創造性、倫理観、戦略的思考など人間特有のスキルを活用する役割の創出に注力し、調整と実行はAIエージェントに任せる。
  • パフォーマンス管理:個々人の生産性指標から、エコシステムの影響度を測る指標へと移行する。従業員を、従来のタスク完了度合いといった指標だけでなく、AIケイパビリティの強化、部門横断的なイノベーションの促進、ネットワーク効果への貢献といった能力に基づいて評価する。

 

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サマリー

スーパーフルイド・エンタープライズへの移行は、ビジネスにおける価値創造のあり方を根本的に変えることを意味します。AI、ブロックチェーン、エコシステム技術が成熟するにつれ、組織は業務上の摩擦を軽減し、ネットワークベースの優位性を構築することで業界をリードするか、より高い俊敏性を備えた競合他社に取って代わられるリスクを負うかの選択を迫られるでしょう。テクノロジーを活用するだけでは、成功を手にすることはできません。ガバナンス、組織文化、戦略的思考の変革も不可欠です。私たちはまだホライズン1の段階にありますが、リーダーは今日からこの変革に備え、加速させるためにできることはたくさんあります。成功するのは、この変革を、既存のプロセスを単に自動化するだけでなく、人間の創造性と戦略的思考を高める好機と捉える企業です。

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