2026年3月期 有報開示事例分析 
第3回 原則適用(2024年年次改善プロジェクト)の開示分析

EY新日本有限責任監査法人
大山 文隆

Question

2026年3月期決算に係る有価証券報告書(以下「有報」という。)から原則適用となる会計基準等(2024年年次改善プロジェクト)に関連する開示の状況を知りたい。


Answer

【調査範囲】

  • 調査日:2026年8月
  • 調査対象期間:2026年3月期
  • 調査対象書類:有報
  • 上場会社:以下の条件に該当する2,178社
    ①3月31日決算である
    ②2026年6月30日までに有報を提出している

【調査結果】

1. 解説

企業会計基準委員会は2024年年次改善プロジェクトにおいて検出された事項について、検討を重ねた結果、2025年3月11日に以下の企業会計基準、企業会計基準適用指針及び実務対応報告(以下「改正会計基準等」という。)を公表した。

  • 包括利益の表示に関する改正
    • 改正企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」
    • 改正企業会計基準適用指針第9号「株主資本等変動計算書に関する会計基準の適用指針」
  • 特別法人事業税の取扱いに関する改正
    • 改正企業会計基準第27号「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」
    • 改正企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」
  • 種類株式の取扱いに関する改正
    • 改正実務対応報告第10号「種類株式の貸借対照表価額に関する実務上の取扱い」

改正会計基準等は2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から原則適用となる。そこで、2026年3月期決算に係る有報において、改正会計基準等に関する開示状況を調査した。

2. 開示状況の調査結果

調査対象会社(2,178社)を対象に、会計方針の変更の注記に改正会計基準等の適用を記載している事例を調査した結果、記載している会社は1社のみであった。当該会社では包括利益の表示に関する改正及び種類株式の取扱いに関する改正について記載していた。改正会計基準等は主として用語や取扱いの明確化を目的とするものであり実務への影響は限定的と考えられるため、記載している会社数が少ないと推測される。

(旬刊経理情報(中央経済社)2026年9月20日号 No.1787「2026年3月期「有報」分析」を一部修正)

この記事に関連するテーマ別一覧



企業会計ナビ

会計・監査や経営にまつわる最新情報、解説記事などを発信しています。

EY Japan Assurance Hub

時代とともに進化する財務・経理に携わり、財務情報のみならず、サステナビリティ情報も統合し、企業の持続的成長のかじ取りに貢献するバリュークリエーターの皆さまにお届けする情報ページ