デジタルトランスフォーメーションを最⼤限に⽣かすために、
CIOが取るべき4つの⾏動
最新テクノロジー導⼊に対する意欲が⾼まり、企業はさまざまな画期的機能に⼿が届くようになりまし た。しかし、企業が既存のプロジェクトの拡⼤を図り、複数のテクノロジーを統合しようとする中、トランスフォーメーションの枠組みに無理が⽣じています。また、サプライヤーも企業側が意思決定できるよう多くの情報を提供する必要に迫られています。こうした問題に対処するため、CIOは次のような⾏動を取る必要があります。
1. 他の経営幹部と協⼒して、確実なテクノロジービジョンを構築する
フロンティアテクノロジーから⼤きな価値を引き出せるかは、これまでとは別の、新しい確かな視点でユースケースや展開シナリオを描くことができるかで決まります。また、間違ったテクノロジースタンダードやプラットフォームの選択の他にもリスクはあり、投資判断にはデータガバナンスやサステナビリティ関連の検討も必要です。最⾼サステナビリティ責任者やカスタマーエクスペリエンスのトップ、最⾼情報責任者やリスク責任者など、他の経営幹部や部⾨と緊密に連携することで、新しいテクノロジーをさまざまな観点から検討できるようになります。こうした複合的な視点は、現在だけでなく将来においても、テクノロジーへの投資やその展開を確実に判断していく上で役に⽴つでしょう。
2. テクノロジーの融合を活⽤するため、技術的な専⾨知識を集約させ強化する
最新テクノロジーへの初期投資では、ビジネスの特定部分に対するピンポイントのソリューションが好まれる傾向にあるため、専⾨知識が企業のさまざまな部署やセンター・オブ・エクセレンス(CoE)に分散しています。最新テクノロジーとエンド・ツー・エンドのソリューションの統合を求める声が⾼まる中、最新テクノロジーの接点を評価できるワーキンググループの結成が必要です。⻑期的に、⾃社には新たにどのようなスキルが必要なのか、マルチテクノロジーの専⾨知識と経験を中⼼に据えて検討することが求められます。こうしたステップを踏むことは、社内に新たな知識を構築し共有する⼤きな契機となり、現
⾏の実証実験やパイロット運⽤を拡⼤する場合は不可⽋です。
3. デジタルトランスフォーメーションの根幹を再確認し再調整する
トランスフォーメーション計画にかかる圧⼒が増す中、最新テクノロジーへの初期投資を最適なものとするため、また構築してきた能⼒や機能を確実に成熟させていくためにも、今後5年から10年間のテクノロジー展望を⾒直すことがこれまで以上に重要です。そのためには、トランスフォーメーションの根幹を再確認し、⽬的に合致しているかどうか、評価をする必要があります。短期的には、リスキリングとパートナー管理に重点を置きます。⻑期的には、デジタルトランスフォーメーション計画の中で、データ倫理や ESG、従業員のウェルビーイングのために積極的に対策を講じ、企業の優先事項が変化してもレジリエンスを維持できるようにします。
4. サプライヤーやエコシステムとの、より有意義な対話を求める
ビジネス課題の変化をテクノロジーや通信のサプライヤーに明確に伝え、サプライヤー側がそれに適したソリューションを的確に、より魅力的な形で提供できるようにします。また、トランスフォーメーションにおける課題の変化も共有し、サプライヤーとの間に情報格差が生じないよう努めます。サプライヤーエコシステムを精査して特有の能力を持つテクノロジープロバイダーを探し、他のパートナーとの調整ができるベンダーを優先することで、価値の創造と維持に重点を置いたエコシステム連携を構築します。エコシステム連携に充てる経営陣の時間とエネルギーを増やし、テクノロジー戦略との整合性を高めて、エコシステム連携にさらに果敢に取り組みます。