EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
In Digital
企業が保有する資源や展開しているビジネスが異なれば、管理するマスターデータも異なりますが、マスターデータの代表的な例としては組織や従業員、顧客や取引先、商品やサービスなどが挙げられます。マスターデータは、現実世界の写像であるデータを「正確・タイムリー・広範囲」に共有・利活用するための「共通の視点」を提供できるという点で、それ以外のデータと性質が大きく異なります。
またマスターデータマネジメントとは、ビジネスにおける管理対象を一意に特定するためのマスターデータを、常に最新かつ正しい状態に維持・統制するための活動や仕組み全体を包含した概念で、マスターデータを管理する器(MDMツール)のみを表す概念ではありません。
MDMはITの発展に伴いビジネス環境が目まぐるしく変化する中で繰り返し注目を集めてきたテーマです。以前はIT部門の“持ち物”とされてきたマスターデータですが、DXの実現においてはビジネス部門がさまざまなビジネス課題を解決するために積極的にMDMプロジェクトに取り組むなど、これまで以上に重要な役割を担っていると認識されています。
クラウドサービス型のMDMツールによって基盤導入のハードルは下がる傾向にありますが、MDMプロジェクト自体の難しさはむしろ増している状況です。原因として、ビジネスや社会におけるデータ活用シーンの広がりに加えて、M&Aや事業統廃合など“過去の経緯”に対して長い間対症療法を繰り返し複雑化したマスターデータに対し、課題をひもとき再構築することが求められるからです。
EYではDXの進展という環境変化やこれまでの経験を踏まえて、MDM実現の重要成功要因は主に4つあると考えます。
MDM実現に向けた大まかな活動ステップは以下になりますが、実際にはマスターデータの整備に向けた調査状況や実施体制などは企業ごとに異なるので、活動ステップ内のタスクを柔軟に組み替えるなどの対応は必要です。
【Step1】
データ活用やマスターデータ管理における課題の調査結果に基づき、マスターデータの整備とガバナンスの方向性、態勢構築に向けたロードマップを策定し活動の承認を得る。
【Step2】
整備対象としたマスターデータの管理・統制状況をプロセス面とデータ面から詳細に分析を行い、課題の対応策を反映した目指すプロセスとデータに求める要件を詳細化する。
【Step3】
Step2で定義した要件に基づきMDMツールの選定と導入を行うとともに、業務設計結果をツールに合わせて調整する。
【Step4】
MDMを全社活動として継続するために、マスターデータの利用と管理に関するルールやガバナンスのポイントをガイドラインにまとめる。また、定期的に活動内容を評価し高度化を図る(実際のプロジェクトではStep3と並行で実施)。
MDMにこれから取り組むがどこからどう進めるべきか悩んでいる、過去にMDMに取り組んだがガバナンスが効かずビジネスの変化に合わなくなっている、自社内にマスターデータ整備のノウハウを蓄積したいなど、MDMの実現に関するお悩みがございましたらお気軽にお問い合わせください。
EYの関連サービス
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