5 分 2020年1月7日
上海のハイウエー

急速な市場変化に対しアジリティ(機動力)が重要な理由

執筆者

Randall Miller

EY Global Advanced Manufacturing & Mobility Leader

Passionate about manufacturing, mobility and disruption. Champion for women and diversity & inclusiveness in the Advanced Manufacturing & Mobility industries.

5 分 2020年1月7日

新たな規制、経済状況、変化し続ける顧客の嗜好により、自動車メーカーやサプライヤーはさらに機動力のある対応を求められています。

アナリストと決算報告をするアーニングコールにおいて、自動車・輸送(A&T)業界の企業17社のトップは、需要パターンの変化が起きている中、自身のアジリティ(機動力)をさらに高める必要があると明らかにしました。いずれも、新しいテクノロジーの開発を適切にサポートしつつ、コスト管理との両立を目指しています。

四半期収支報告にみるテーマトップ10


  1. 地域的動向
  2. モビリティの展開
  3. 経常コスト
  4. リストラクチャリングへの取り組み
  5. インオーガニック成長(M&A、ジョイントベンチャー、パートナーシップ)
  6. 規制対応
  7. 製造とサプライチェーンマネジメント
  8. 製品の進化
  9. 運転資本とキャッシュフローの管理
  10. 地政学的な問題

2019年第1四半期で注目のテーマのトップ3

2019年第1四半期の3大テーマは、直前の2018年第4四半期と変わらず、地域別需要動向、モビリティ(移動、交通手段)の進展、業務コストでした。主要テーマに変更がないということは、各地域の需要、テクノロジーの進歩、マクロ経済状況が、A&T(Automotive & Transportation)企業の成長戦略において引き続き重要な役割を果たすことを示しています。:


  • 地域別動向: 地域別の需要動向は、2018年第4四半期から引き続き、2019年四半期においてもトップ10リストの筆頭に挙げられており、A&T企業がアジア、欧州、北米の各地域の需要の変化に対応していることを示しています。アジアでは、成長が鈍化した地域も見られますが、全体的な経済成長率は依然として平均を上回っています。欧州のメーカーは新しい排出ガス規制による課題に直面していますが、米国全域で、SUV、ピックアップトラック、クロスオーバーモデルへの関心が高まっています。


  • モビリティの進展: テクノロジーの進歩は、直前の四半期と変わらず2019年第1四半期でも、第2位となり、A&T企業にとってデータやコンテンツの管理がいっそう重要になっていることがわかります。自動運転車技術と電気自動車(EV)技術の進化が市場を変え続け、企業はサービスを改善し、顧客との関係を強化する新たな方法を模索しています。また、こうした動きは最終的に、予想を超えた急速な成長を続ける、高度な運転支援システムの需要にも影響を与えています。こうしたイノベーションに対応するために、各社は買収、ジョイントベンチャー、社内インキュベーター(事業成長のためのアイデアを創出・拡大を支援する組織)など、関連するテクノロジーを獲得する方法を検討する必要に迫られています。


  • 経常コスト: A&T企業はマクロ経済状況の変化に伴い、新たな課題に直面しています。課題は主に、原材料、為替、技術、物流、人材に関連したものであり、これらの中でも為替のボラティリティ(変動率)が引き続きトップとなりました。こうした不確実性、またモビリティの進展に伴うコスト増加は、次の四半期も続くと予想されます。ただし収益分析では、経常コストの増加にもかかわらず、技術開発関連の費用が長期的にトップライン(売上高、営業収益)の成長を支えるという予想が示されています。

2019年第1四半期の新テーマ

全社レベルでの取り組み、製品の進化が、今回新たにリスト入りしました。前者は業務の合理化、ビジネス機能の再編成や売却を考慮したものですが、後者は車種間の需要シフト、研究開発や製品のイノベーションの拡大を視野に入れています。:


  • リストラクチャリングへの取り組み: A&T企業は、経常コストを確実に削減する一方で、構造的な効率改善にも注力しています。デジタルスキルを持つ従業員を雇用することでこの課題を実現しようと考える企業もあります。また、もはやビジネス文化において「普通」の選択肢となりつつある、リストラクチャリングを支持する企業もあります。


  • 製品の進化: より多くのA&T企業が、顧客体験を改善する新たな取り組みを導入しようとしています。新たなアーキテクチャ(設計構造)、燃費の改善、新しいインフォテインメント(情報と娯楽の融合)機能は、排出基準の適合に照準を合わせた新製品発表の中心的な課題であり続けています。


  • 分析の対象範囲および手法

    この分析では、アナリストとのアーニングコール(決算報告)において、17のA&T企業(乗用車、商用車、部品サプライヤーを含む)のリーダーが議論した上位テーマをレビューしています。本レポートでは、これらテーマの四半期ごとの動きを追跡し、産業別の状況の変化に関する見通しを提供します。

サマリー

乗用車、商用車、部品サプライヤーなどの自動車会社は、各地域の経済状況の変化、テクノロジーの進歩に伴う経常コスト、変化しつづける顧客の嗜好(しこう)により、これまで以上に機動力のある応を求められています。

この記事について

執筆者

Randall Miller

EY Global Advanced Manufacturing & Mobility Leader

Passionate about manufacturing, mobility and disruption. Champion for women and diversity & inclusiveness in the Advanced Manufacturing & Mobility industries.