6 分 2020年6月11日
自宅でノートパソコンを使用して仕事をする男性

リモート環境における決算業務の進め方について

執筆者

Tony Klimas

EY Global Performance Improvement Finance Leader

Focused on bringing the best we have to offer to CFOs and other finance leaders.

投稿者
6 分 2020年6月11日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって私たちは変化を迫られています。マニュアル作業で決算処理している組織、テクノロジーを活用している組織、どちらの組織であっても本レポートが役に立つでしょう。

月次でも年次でも、決算業務をリモートで効率的に進めるのは難しいことです。在宅勤務や分散した拠点での業務リソース確保の難しさ、育児や介護、誰の心の中でも大きくなっていく個人的・経済的な不安、現在の環境はこのような課題を生じさせています。

新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりを封じ込めようとする政府の取り組みは前例のないものであり、CFO、経理財務マネージャー、およびそのチームは、これまでの決算方法が大きく変更されようとしていることに気づくかもしれません。一方で、ストレスレベルが高まる中では決算プロセス中の些細な問題が突然大きなハードルへと変わってしまうこともあります。

ここでは、リモート環境において決算処理をする中で優先順位を設定、明確化し、効果的にコミュニケーションをとる方法についていくつかのアイデアをご紹介します。これらの戦略は、効率的な決算を支援し、新型コロナウイルス感染症による混乱が過ぎ去った後には、自社を強化するアイデアとなります。

まずは、チーム編成と優先順位設定、決算業務においてマニュアル作業よりテクノロジーを活用しているかの2つのテーマに焦点を当てます。

さまざまなソフトウェア・ソリューションが存在している中、私たちはこのレポートをこの市場のリーダーであるブラックライン社と共に作成しています。そして、このレポートの中には同社のソリューションを決算業務に活用している企業の事例も出てきます。ただし、ここで記載されているアイデアや手法は、あらゆる企業に当てはまるものです。

チーム編成

どんなに良い状況においても、チーム編成には困難を伴います。グローバル企業では、共通認識を持つべき関係にある社員が何百、何千人もいるかもしれません。

今の状況において、書類を手渡しし、オフィスで直接やりとりをすることは非常に困難を伴います。また、あなたの組織には、特定のタスクを完了するための職人技を持つ社員がいるかもしれません。もし彼らが業務遂行できない場合、どうなるのでしょうか?

私たちの提案

  1. 通常よりも頻繁に会議を行うこと、重要な決算ミーティングにはウェブ会議を使用して、個人間のつながりを強めることで、チームのコミュニケーションが損なわれないようにします。
  2. 2人以上の連携した業務が必要となるマニュアルでの作業を見直します。これは、リモートワークの中で修正が必要かどうかを判断するため、決算前に行います(また、最終的な監査をサポートするため、それらが適切に文書化されているかを確認します)。
  3. 偏った少数の社員に重要な知識や経験が集中していないか特定します。理想としては、誰かが動けなくなったときにお互いの仕事をサポートしあえるチーム体制になっていることです。
  4. 業務上のコミュニケーション方法を自社の設定でできる限り改善します。電子メールはとても見落とされやすく、特定のコメントや例外処理に対応するアクションとの紐付けが不十分になります。
  5. レビューの方法や報告書の扱い方について、早い段階で経営層とコミュニケーションをとります。例えば、試算表や予備的な損益計算書のレビューをどのようにリーダーとリモートで行うかを決定し、経営層の期待値を把握できるようにします。決算に関連した報告書の配布とレビューの計画が整備されているかを確認します。変更が行われる前に報告対象者への説明も必要になります。

適切なチーム化ソリューションの利用

BlackLineのようなチーム化とタスク管理の両方を兼ね備えたソリューションを利用することで、俯瞰的に、誰がこのプロセスに関与しているのかを把握することができます。ミーティングや対面での理解に頼ってステータスを把握するのではなく、標準的なレポート、ダッシュボード、他の利害関係者や監査人用の参照限定画面などを使用してプロセス全体を可視化し、共有することができます。

チーム化ソリューションによって複数のユーザーが同じタスクや照合を共同で行うことが可能となり、このことが現在の環境では特に有用になっています。適切なソリューションにおいては、ユーザーは文書を添付したり、前期の情報へアクセスしたりすることができます。このことで、もし組織のキーパーソンが働けない状態になっても、新しくもしくは一時的に業務に関わる人が情報にアクセスし、ビジネスを継続遂行することができます。

コミュニケーションを一つのプラットフォーム内で行うことができるので、唯一の正しいソースをより簡単に整理・保存していくことができるようになります。プラットフォーム内でファイルを安全にやりとりできるようになるため、社員は必要なデータのために複数の場所を探しに行く必要がありません。重要なKPI(主要業績評価指標)が定義され、測定されることで、業務が予定通りなのか予定外の状態にあるのかを判断することができます。

優先順位を設定する

このような状況下でリソースは逼迫し、潜在的な技術的課題に直面しているため、適切にチームを編成して、最もリスクの高い項目から対処していくための道筋をつけることが必要になります。リスクを理解し、それに応じて優先順位をつけることで、チームが影響の小さい懸念事項のために消耗することがないようにします。

私たちの提案

  1. チームの全体的な活動が、決算業務におけるより大きなマイルストーンとどのように関連しているかを精査します。補助元帳や総勘定元帳の照合プロセスといった実際の業務が各社の決算作業にどのように影響するかも考慮し、決算業務を分析します。
  2. 照合、仕訳入力、管理のような決算業務関連のタスクに潜在するリスクを評価します。内部監査人や外部監査人から得られる情報や、リスクの高い項目を優先事項として特定するために管理がどのようにされているかといった点からリスクレベルを判定することができます。
  3. 重要性の低い活動を止めるため、重要度のしきい値を見直しして、実行に移します。
  4. 手順の見逃しをなくすために、二次管理として決算処理のチェックリストを管理する担当者を任命します。
  5. 監査人とリモート環境下での決算スケジュールをレビューし、意見や提案を募っていきます。監査プロセスを支援するためにさらにできることを固めていきます。

効率的なリモートでのチーム編成

効率的なビジネスルールを設定できるソリューションを選択する必要があります。それは、期日と頻度情報を使用して、よりリスクが高く優先度の高い勘定科目の照合手続きから実行していくことを可能にします。

例えば、優先順位を設定する機能では、自社で定義した基準に基づいてレビューの頻度やレベルを設定することができます。勘定科目の中には、他の勘定科目に比べて変動性が低く、毎月レビューを受ける必要がないものもあるかもしれませんし、ゼロ残高の勘定科目で自動承認が可能なものもあるかもしれません。

タスク管理ソリューションは、あらゆるタスクや活動を文書化し、サポートし、承認するために使用できます。例えば、多くの企業では、Word文書、スプレッドシートやバインダーを使用してプロセスや手順を管理したり個々のタスクの承認を行ったりしています。

最適なタスク管理ソリューションは、追跡や承認のための特定タスクや定期的なタスクを簡単に設定することができます。ユーザーは通常、数時間または数日でモジュールを立ち上げることができます。

永続性、そして発展へ

当然のことながら、目的は決算処理を行うことであり、長期的な検討観点についても必要があるでしょう。前述のこれらの取り組みの一部は、新型コロナウイルス感染症による混乱が過ぎ去った後においても、業務をより最適化し、前進させる有意義なものとなります。

サマリー

どんなに良い状況においても、関係者が何百、何千人もいるようなチーム編成には困難を伴います。リスク管理のアプローチに全力で取り組み、明確なコミュニケーションを重視することによって、今の状況を乗り切り、チーム体制を強化することが可能となります。

この記事について

執筆者

Tony Klimas

EY Global Performance Improvement Finance Leader

Focused on bringing the best we have to offer to CFOs and other finance leaders.

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