組織として、マネージャーに短期成果のみを求めるのではなく、中長期的に成果を上げ続け、組織の持続的成長を実現することを求めるべきであり、そのためには高い成果とマネージャーのキャリア充実を両立すべきといえます。
アンケート調査から得られた示唆として、成果とキャリア充実を両立するためには、マネージャーに関わるメンバーが能力を伸ばし、かつ十分に発揮するような環境をつくることが肝要であることを、マネージャー自身が理解していることが重要です。
マネージャー自身に対する働きかけとして、これまでのキャリアを棚卸しし、トランジションの意味付けを着任前に行い、着任後は常に内省するという自分自身のマネジメントができるか否か、これが変化する環境下における再現性のあるマネジメント行動につながります。
また、マネージャーが成果を上げるとともにキャリアを充実させるためには、トータルリワードの観点で当該層に対して真に効果的な施策を戦略的に適用し、運用していく必要があります。
トータルリワードとは、報酬管理に対するアプローチの1つで、給与や福利厚生といった金銭的報酬のほか、能力開発や質の高い職場環境といった非金銭的報酬も含めた職場で得られる全ての報酬を管理することで、企業が直面する重要な課題の解決や投下した報酬から最大のリターンを得ることを目的とするものです。
それはすなわち、賃金だけでなく、ウェルビーイングと職場環境をもってバーンアウトせずに持続的に活躍できる基盤を整備した上で、さらに成長実感を持ち、実力を発揮できる機会を提供することが有効であるといえます。