
OECDがBEPS行動8に基づく費用分担契約に関するディスカッション・ドラフトを公表
Japan tax alert 2015年5月22日号
経済協力開発機構(OECD)は2015年4月29日、税源浸食と利益移転(BEPS: Base Erosion and Profit Shifting)に対する行動8(無形資産に係る移転価格)に関するディスカッション・ドラフト(以下、「本ディスカッション・ドラフト」又は「本ドラフト」)を公表しました。「BEPS行動8:費用分担契約(CCA:Cost Contribution Arrangement)に関する移転価格ガイドライン第8章の改訂」と題された文書には、CCAに関するOECD移転価格ガイドラインの変更案が盛り込まれています。CCAは、無形資産、有形資産又はサービスの共同開発、生産又は取得に関わる貢献とリスクを分担するために企業間で一般的に使用されています。この指針案は、無形資産に係る移転価格の側面に関する最終指針と暫定的指針、及びリスクの配分に関連するOECD移転価格ガイドライン第1章に関する指針のドラフトを考慮に入れた内容となっています。
変更案は、CCAに関する現行の指針とは著しく異なっています。変更案の主要な項目は、以下の通りです。
- CCAの概念に関する定義の改訂
- よく見られる2種類のCCA、「開発CCA」と「サービスCCA」
- CCA参加者がCCA活動に関連するリスクをコントロールする能力と権限を有していなければならないとする新たな要件
- 無形資産の開発に関連する資金提供のみを行い、リスクをコントロールしない企業は、CCAの参加者にはなれない
- 各参加者の貢献を費用ではなく価値で測定することを求める新たな指針
- 各参加者がCCAから得る予想便益の推定に関する新たな指針
- CCA参加者がリスクをコントロールすべきであり、CCAに対する参加者の貢献は一般に、費用で測定すべきでないとする原則を例示する5つの設例を掲載した付録
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