アジア・パシフィックBEPSアップデート シンガポールと香港

アジア・パシフィックBEPSアップデート シンガポールと香港

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Japan tax alert 2016年7月12日号

シンガポールは、OECDのBEPSプロジェクトに準参加国として参加し、2017年1月1日から国別報告書(CbCR)を導入

2016年6月16日、シンガポール財務省は、経済協力開発機構(OECD)の「税源浸食と利益移転(BEPS)」プロジェクトの世界的な導入に向けた包摂的枠組みに、BEPSプロジェクトの準参加国として参加することを発表しました。

シンガポールは、以下の4つのBEPSプロジェクトにおけるミニマム・スタンダードの導入を確約しています。

  • 行動計画5:有害な租税慣行への対応
  • 行動計画6:租税条約の濫用防止
  • 行動計画13:移転価格文書化の再検討
  • 行動計画14:紛争解決メカニズムの有効性向上

なお、行動計画13(移転価格文書化の再検討)の導入の一環として、シンガポールは、同国に本社を置く多国籍企業を対象に、2017年1月1日又はそれ以降に始まる会計年度から国別報告書(CbCR)の提出を求めることになります。

このアラートの全文(英語のみ)については、ここをクリックしてください。

香港がOECD BEPSプロジェクトに準参加国として参加

2016年6月20日、香港は経済協力機構(OECD)の「税源浸食と利益移転(BEPS)」に対する一連の対策を実行するための包括的な枠組みに準参加国として参加すると発表しました。

BEPS準参加国として、香港は行動計画5(有害な租税慣行への対応)、行動計画6(租税条約の濫用の防止)、行動計画13(移転価格文書化)、行動計画14(紛争解決メカニズムの有効性向上)を網羅するBEPS最低基準を順守する方針です。また、香港はBEPSプロジェクトの実行・監視フェーズの進展を支援するため、他の国・地域と協力する方針です。

今回の発表では、BEPSプロジェクト実行に対する香港の関与が、必要とされる改正法案の時宜にかなった可決を条件としており、国内法体系の性質、当該の法改正の予想規模、BEPS対策に優先順位をつける現実的な必要性などを考慮に入れることが示唆されています。

BEPSプロジェクトに関しては今後さらなる分析が実行されるとみられ、香港政府は提案実行戦略について適宜業界に相談し、必要な法改正の実行に向けて準備していく方針です。

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