米国税制改革下院法案「The Tax Cuts and Jobs Act」アップデート

米国税制改革下院法案「The Tax Cuts and Jobs Act」アップデート

EY Japanの窓口

EY 税理士法人

2017年11月9日

US tax alert 2017年11月9日号

本アラートは、2017年11月2日に発行した、米国税制改革下院法案「The Tax Cuts and Jobs  Act」アラートの最新情報です。

2017年11月2日に公表された米国税制改革「The Tax Cuts and Jobs Act」に歳入委員会長によるマークアップ(修正案)が反映されました。本アラートでは、日本企業に影響が大きいと考えられる修正内容及び法案にかかわるその後のアップデートを解説します。法案及び修正は多岐にわたるため、解釈が困難なケースや審議動向そのものもかなり流動的であることから、具体的な内容については貴社のEY担当者までご連絡ください。

今回、修正案が反映された箇所は、以下の下線部分です。

法人税及び事業活動に対する課税アップデート

  • NOL繰越額は「短期AFR(Applicable  Federal Rate: アメリカ合衆国内国歳入庁制定利率) + 4%」で毎期増額(2018年又はそれ以降に発生するNOL(Net Operating Loss:繰越欠損金)に適用

国際課税

  • 多国籍企業グループ内で米国法人(又は外国法人の米国支店)が米国外法人に行う「特定支出」に法人最高税率(法改正後は20%)でペナルティー課税
    • 連結財務諸表を作成している多国籍企業グループ
    • 特定支出の年間金額1億米ドル以下(3年平均)のケースは免除
    • 特定支出には費用項目ばかりでなく資産取得コストも含まれる(支払利息、債券・コモディティ取得コスト、マークアップなしのサービス費用は対象外)
    • 受け手の外国法人がECI(Effectively Connected Income: 米国に事業活動があり、その事業活動に実質関連している所得)として申告している金額は対象外
    • 30%源泉税対象となる支出は対象外(条約で源泉税が低減されている場合には、低減相当分額が特定支出扱い)
    • 法人税算定目的で損金不算入
    • 外国法人が特定支出を米国事業所得(ECI又はみなしPE(Permanent Establishment: 恒久的施設))として申告課税扱いする選択可能
      • 当選択下では特定支出は「みなしPE」に帰属すると扱われるため条約適用不可
      • 費用実額は損金不算入だが「経費相当みなし額 x 104%+AFR短期レート」の控除あり)
      • 経費相当みなし額は、該当製品ラインのグループにおける米国外の会計上利益率(金利・税金前)を基に算定
      • 20%又は連結財務諸表で認識される外国法人税実効税率の50%のいずれか低い税率に基づく外国税額控除
    • 2019年1月1日及びそれ以降の支出に適用

関連資料を表示