Japan tax alert 2019年7月18日号
2019年7月17日、米国連邦議会上院は、2003年に締結した現行の日米租税条約を修正する議定書(「議定書」)を批准しました。当該議定書は2013年1月24日に両国間で合意され、日本では同年6月に批准されていますが、米国側の批准手続きが長年停滞していたものです。米国では、上院批准を受けてドラフトされる批准書が国務省経由で大統領府に送られ、大統領がこれに署名します。その後、日米間で批准書の交換が行われ、正式に議定書の効力が生じます。この手続きに要する期間は未定ですが、最長でも数週間以内に批准書の交換が実現するものと期待されています。
議定書に効力が生じた後、実際の適用タイミングは次のとおりです。
- 源泉税に関しては、議定書の効力が生ずる日の3カ月後の日の属する月の初日以降適用(例、7月内に議定書の効力が生ずる場合には10月1日以降適用)
- その他の租税に関しては、議定書の効力が生ずる年の翌年の1月1日以降に開始する課税年度より適用
- 仲裁手続きに関しては、議定書の効力が生ずる日において日米税務当局が検討を行っている事案、またはそれ以降に検討が行われる事案については、議定書の効力が生ずる日より適用
- 情報交換、租税徴収支援に関しては、議定書が効力を生ずる日より適用
米国で事業・投資を行う日本企業に関心が高いと思われる改正点は次のとおりです。
- 支払利息に対する源泉税を10%から0%(免除)に引き下げ
- 配当に対する源泉税率0%の適格要件を緩和。「50%超」の持分保有割合要件を「50%以上」に緩和。また「12カ月」の保有期間要件を「6カ月」に短縮
- 米国不動産持分(USRPI)の定義を米国内国法のものに統一。米国法人株式は原則USRPIとなるが、株式の発行体である法人が「過去5年間」に一度も米国不動産保有法人でなかったことを証明できる場合には、その株式はUSRPIの定義から除外される。従来の条約では、株式の譲渡人が日本国居住者である場合、5年テストを適用せず、「株式譲渡時点」において株式の発行体が米国不動産保有法人でなければ当該株式はUSRPIとならないと解釈可能な規定が含まれていたが、当該規定を撤廃
- 課税事案が相互協議によって解決することができない場合における仲裁手続き規定の導入
- 租税債権の徴収に係わる相互支援(徴収共助)の対象を条約濫用事案から滞納租税債権一般に拡大
※本アラートの詳細は、下記PDFからご覧ください。
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