6 分 2022年9月2日
鳥かごから脱出したカナリアが、開いた窓めがけて飛び立つヒーロー画像

マネージドサービスでビジネストランスフォーメーションを加速させるには

執筆者 Paul Clark

EY Global Managing Partner – Managed Services

Leader of change. All-in on helping clients achieve their vision. Proud husband and father. Sports fan.

EY Japanの窓口

EY Japan マーケッツ EY Japan株式会社 ビジネスデベロップメント ディレクター

マネージドサービスのビジネス開発にグローバルと連携して取り組む。座右の銘は「為せば成る」。

6 分 2022年9月2日
関連トピック マネージドサービス

事業を再構築する上で、変革と柔軟な思考は不可欠です。そんなとき、マネージドサービスが解決策の一つになるかもしれません。

要点
  • 企業の84%は、現行の業務モデルの不備に対処する改革を進めている。
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大によって、社内業務をマネージドサービスモデルへと移行させる必要性が加速している。
  • マネージドサービスの導入は、変革に向けた迅速かつ効率的な手段になり得る。
Local Perspective IconEY Japanの視点

EYのマネージドサービスは、本社機能の中でも中核とされてきた財務、税務、リスク管理、法務といった分野の業務を、企業に代わってEYが提供するものです。従来日本企業は、一般的にこれらの業務を自社または自社グループのリソースで対応してきました。しかしながら、昨今の労働力人口の減少、各国法制度の複雑化、テクノロジーの進化といった環境変化によって、企業が全ての業務を自社のリソースで対応し続けることには限界が見えてきており、EYにおいてもマネージドサービスを提供する事例が増えています。

マネージドサービスの利用にあたっては、業務の棚卸しや組織の役割の見直し、従業員の再教育や配置転換といった企業内部の変革が求められます。当然のことながら、こうした変革の実行は容易なものではありません。それでも、特にグローバルで事業を展開する企業や、M&Aの実行によって成長を志向する企業は、自社の戦略や将来のリソースのための計画を見据えて、適切にマネージドサービスを活用することが必須になるでしょう。

 

EY Japanの窓口

末永 茂康
EY Japan マーケッツ EY Japan株式会社 ビジネスデベロップメント ディレクター

従来のビジネスモデルへのプレッシャーが⼀層強まる中、新型コロナウイルス感染症の拡大が世界中の企業に⼤きな混乱をもたらしています。広範囲にわたってサプライチェーンが崩壊し、政府による休業命令が出され、消費者の⾏動も変容しました。しかし、従来のビジネスモデルの多くは、パンデミック以前から変わりつつある社会のプレッシャーを受けていたことも事実です。

  • コスト削減は優先課題である。経営陣は新しいテクノロジーの活⽤と効率向上を求めている
  • 主要部⾨では限られたリソースでより多くの仕事が求められる。税務、コンプライアンス、リスク管理、財務など、中核ではないものの取締役会にとって不可⽋な部⾨は、リソースの増強なく成果の向上が期待されている
  • 規制義務の管理は複雑化し、コスト負担も増⼤している。世界各地で規制の変更が急速に進み、透明性向上が規制当局から強く求められている
  • 投資利益率や業績への期待が厳しくなり、取締役会からの要求が増大している
  • 競合他社との競争はかつてないほど激化している。業界に対する深い知⾒、デジタルツールやデータ分析が不可⽋となると同時に、それらを活⽤する専⾨的な⼈材も求められている

危機の真の損失を計算する

効果的に考え直すために、まず企業は新型コロナウイルス感染症の拡⼤による損害を単なる数字の確認に終わらせずに評価しなければなりません。

⾔うまでもなく、どの企業においても即時かつ継続的に取り組まねばならなかったのは、社員の健康と安全の確保でした。しかし、多くの企業にとって真の損失は、チャンスを失ってしまったことでしょう。危機の真っただ中、社内で重要な役割を担う⼈材は、企業の基本機能を動かし続け、重要部⾨の業務が滞らないよう、また情報の有効性や信頼性やタイミングが保たれるよう、ほとんどの時間をそのための作業に費やさねばなりませんでした。そのため、そうした人材は重要な戦略的判断に注⼒する時間を失うことになりました。本来であれば、柔軟な業務体制の整備や、より重要な商品やサービスへの⽅向転換、運転資本の再検討など、今回のパンデミックによる事業や局面への影響を回復に向けてもっとうまく乗り切る戦略的判断ができたかもしれないのです。

また新型コロナウイルス感染症の拡⼤によって、テクノロジーソリューションの不備が露呈したという企業もあります。こうした不備は、長年にわたる投資の先送りと⼈⼿を使ったその場しのぎの対応策の結果です。旧来のシステムでは、社員のリモートワークに対応できず、オンライン取引を求める顧客ニーズを満たせず、また透明性とデジタル報告を求める規制当局からの要求にも応えることができない、といったことが多々ありました。

プレッシャーにさらされる業務モデル

84%

の企業は、現⾏の業務モデルの不備への対処を進めている。出典:EY Tax and Finance Operate Survey, 2020.

企業が将来に⽬を向ける時にこれらの教訓からはっきり分かるのは、「ノーマル」に戻るという選択肢はないということです。ボラティリティに対応しパンデミック後の世界で成功を収めるには、全社的なビジネストランスフォーメーションが必要です。弱点をカバーするか、新しい機会を切り開くか、あるいはその両⽅かもしれません。

進化するための変革

「トランスフォーメーション(変革)」は今やビジネスではよく使われる言葉ですが、その真意は見落とされがちです。テクノロジーを取り入れたり社内機能を改善したりすることだけが注目されますが、変革とはレジリエンスとアジリティの向上を目指してビジネスモデル全体を見直すことなのです。

多くの企業にとって、改⾰への道はマネージドサービスを経由していきます。今回のパンデミック以前も、マネージドサービス導⼊を検討する企業は増えていました。今では、マネージドサービス導入は取締役会が検討すべきアジェンダの中⼼となっています。マネージドサービスでは次のことが可能になり得るからです。

  • マインドセットを広げる︓不確実な世の中にあって、新しい試みに積極的な企業ほどより良い結果を出す傾向にあること私たちは⽬の当たりにしてきました。回復期およびその先の未来では、こうした新しい考え⽅がビジネスの成否を決めることになります。取締役会には不可⽋だが事業の差別化にはならない機能をマネージドサービスに任せるようにすれば、経営陣は回復を促進するイノベーションに集中できるようになります。
  • コスト構造を改⾰する︓税務、財務、リスク管理、コンプライアンスといった中核機能をマネージドサービスに移⾏すると、巨額の初期費⽤や固定資本費⽤を回避でき、その代わりに柔軟でオンデマンド⽅式のサービスを使うことになります。マネージドサービスは、ビジネスプロセスのアウトソーシングにとどまるものではありません。プロバイダーが持つコア領域における専⾨性とテクノロジーへの投資を活⽤することにより、中核機能の効率や効果を⾼めることができます。これによって企業は即座にコスト削減を実現でき、設備投資戦略の⾒直しが図れます。
  • 知⾒を活⽤してイノベーションを促進する︓変⾰が成功すれば、迅速でより良い意思決定が可能になり、スマートなイノベーションを促進します。マネージドサービスは、業界に関する深い専⾨知識を⾼度なデータ分析と合わせて提供し、スマートな戦略移⾏を導きます。
  • アジリティを向上する︓パンデミックによる特にサプライチェーンやインフラにおける崩壊は、企業が変化に対して迅速に対応することの重要性を浮き彫りにしました。こうしたアジリティを業務に浸透させるにためは、マネージドサービスのプロバイダーを含むパートナーと協業して新しいエコシステムの構築に改めて取り組む必要があります。
  • ⾃信を再構築する︓不安定な状況下にあっても、企業は回復に及び腰ではいけません。改⾰に向けた⼤胆な⾏動が不可⽋です。歴史を⾒れば分かるように、市場シェアの⼤きな変化は重大な危機の後に起きるものです。信頼できるマネージドサービスのプロバイダーは、世界各地における業界変化や規制上の義務に確実に対応することができます。これによって経営陣は⾃信を持って前進し、市場シェアの変化というチャンスを⼿に⼊れることができます。
  • デジタル化を加速する︓既に多くの企業が各種のデジタルツールや機能によって業務を高度化させています。新型コロナウイルス感染症の拡⼤により、こうした動きを加速させることが喫緊の課題として浮かび上がっています。マネージドサービスは、AIや⾃動化といったテクノロジーを素早く取り入れ、コスト効率の⾼いソリューションを提供します。また、そうしたテクノロジーの習得に必要な技術的な専⾨知識も合わせて提供し、一方で巨額の先⾏投資や⼈材獲得への対処は必要ありません。

マネージドサービスによって、⻑く不安定な回復までの道のりを乗り切るツール、今後⽣じる経済的課題に⾃信を持って⽴ち向かうレジリエンス、そして未来のチャンスを最⼤限に活⽤できるアジリティを⼿に⼊れることができるでしょう。

変化はもはや選択肢の1つではない

今回のパンデミックは世界を⼀変させました。おそらく元には戻ることはないでしょう。こうした変化のマイナス⾯を軽減し、変⾰のチャンスというプラス⾯を捉えられる企業は、以前よりも強くなって復活し、より良い体制を構築し、経営陣は今後の事業の推進に集中することができます。マネージドサービスを採⽤することは、変⾰に向けた迅速かつ効率的なルートです。ツール、⼈材、知⾒を⼿に⼊れることによって、⼤胆に動くことができるようになります。そうした⾏動はやがて、今とは全く異なるビジネス環境での成功の輪郭をはっきりと描くことにつながるでしょう。

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サマリー

従来のビジネスモデルは以前からすでにプレッシャーにさらされていましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大によって変⾰の緊急性が増しました。マネージドサービスは変⾰への近道であり、プロバイダーが持つコア領域における専⾨性とテクノロジーへの投資を活⽤することにより、中核機能の効率や効果を⼀層⾼めることができます。 

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執筆者 Paul Clark

EY Global Managing Partner – Managed Services

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