EY JapanのPeople Advisory Services(PAS)は、組織人事領域におけるコンサルティングワークをサポートするためのAI-「JEFTY(Jargon Explorer For TYping)」を独自に開発し、採用・評価面談を中心とした人事諸制度の運用実態分析に適用するサービスを開始することを発表しました。
JEFTYは自然言語処理技術を応用し、評価コメント文等の定性的な人事情報から「評価視点」「難度」など目的に沿う表現を自動抽出し、分析を行います。千件単位のコメントで実施したこれまでの検証結果では、わずか数分で評価視点の偏りを示唆する分析結果が得られています。この技術により例えば10,000人の従業員を抱える大企業の場合、目視調査では1件5分でも800時間もの膨大な時間が実態把握に必要でしたが、より簡便・迅速に全数調査の実施が可能になると想定されます。
EY PASはAIの活用により、より革新的および効果的な次世代型の新しいコンサルティングサービスモデルの実現を目指しています。JEFTYは、従来型アプローチで大きな比重を占めてきた現状診断を迅速かつ正確に担うことでEYのプロフェッショナルがより高度なクライアントサービス提供にフォーカスするための基盤となるだけでなく、人事制度設計の分野に科学的アプローチを取り入れる新しい手法として位置づけられます。
EYのJapan People Advisory Services Leaderである鵜澤 慎一郎は、次のように述べています。
「デジタルテクノロジーの時代に、組織・人事コンサルティングのマーケットも激しく変化しています。その中、EYは常に最新の技術を用いて画期的なソリューションを開発し、high-valueなコンサルティングを作ることに力を入れています。クライアントの進化するニーズに応えるためには、技術だけに頼るのではなく、JEFTYのようにAIと人間のそれぞれの強みを最大活用し、クライアントに最大な価値を提供することが極めて重要になります。」
第3回HRテクノロジー大賞(経済産業省後援)統合マネジメントサービス部門優秀賞を受賞し、JEFTY開発をリードする吉田 尚秀シニアマネージャーは、次のように述べています。
「同じSystemでも情報Systemばかり技術進歩し、人事System(制度)がアナログなままでは人事機能の更なる進化は期待できません。科学的かつアジャイルな、エビデンスに基づく人事制度設計を可能とするJEFTYは、本領域における人間とAIのベストチーミングを実現するだけでなく、情報Systemと人事Systemの両輪をつなぐことで、人事機能を次のステージに進化させるキードライバーとなることを目指しています。」
次のフェーズでは、評価制度を皮切りに、採用、従業員満足度調査、タレントマネジメント、人材育成など言語情報を扱う人事領域全般における有用性を広く検証し、人事コンサルティングAIとしての応用可能性検証を進めていく予定です。