ニュースリリース

2021年11月5日 東京, JP

EY調査、再生可能エネルギー発電が急成長する条件が整っているなか、電力網への投資不足が大きな課題になる可能性

再生可能エネルギー国別魅力指数(Renewable Energy Country Attractiveness Index[RECAI])第58号によると、市場環境、政策決定、投資、技術向上がクリーンエネルギーの需要をこれまで以上に押し上げていることから、再生可能エネルギーの普及が進んでいます。

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  • 送電網の早急なアップグレードが世界中の喫緊の課題に
  • 東欧が温室効果ガス排出のネットゼロ(実質ゼロ)目標を達成するには多額の投資が必要
  • 新たな電力購入契約(PPA)指標が各国のコーポレートPPAの成長の可能性をランク付け

再生可能エネルギー国別魅力指数(Renewable Energy Country Attractiveness Index[RECAI]、日本語版は近日中に公開)第58号(以下、RECAI 58号)によると、市場環境、政策決定、投資、技術向上がクリーンエネルギーの需要をこれまで以上に押し上げていることから、再生可能エネルギーの普及が進んでいます。しかし、再生可能エネルギー業界は、この急成長継続の脅威となり得るボトルネックに注意しながら舵取りをする必要があります。またRECAI58号は、増大する可変的資源を統合する動きによって、送電網のインフラに大きな負担がかかることが見込まれること、また世界中の送電インフラの機能向上と拡大に必要な投資が重要な課題となることを明らかにしています。

EYのグローバル再生可能エネルギーリーダーであるArnaud de Giovanniは次のように述べています。

「世界の指導者たちが、第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)で一堂に会することから、気候危機との闘いにおける重大な分岐点となり得る瞬間が間近に迫っています。投資と政策支援の増大によって、再生可能エネルギーが継続的に猛スピードで成長してきました。各国が持続可能性の目標を達成するためには、マーケットがネットゼロの未来に適応する中で、今後10年間で送電網への投資を恐らく50%増やす必要があるでしょう」

RECAI第58号は、再生可能エネルギーへの投資と展開のチャンスについて、その魅力度で世界各地の40カ国をランキングしています。また今回は、東欧のマーケットがどのようにネットゼロへの取り組みを強化し始めているかを掘り下げています。西欧諸国と比較すると、東欧諸国はグリーン・エネルギー・インフラの開発で遅れをとっており、RECAIの上位40カ国にランクインを果たしているのは、ポーランドとハンガリーのみです。一方、すべての欧州諸国は、EUが定めた2050年までにカーボンニュートラルとなる目標を確実に達成できるよう、自国の経済的、社会的、政治的な障害に対応しながら前進を続けています。

環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みが企業や投資家にとって最優先課題となっている中、RECAI58号はまた、コーポレートPPA(企業が再生可能エネルギー供給業者から直接電力を長期で購入する契約を結ぶこと)がクリーンエネルギーの成長を後押しするカギとして浮上していることを明らかにしています。RECAI58号で初めて公表されたPPA指標は、再生可能エネルギー電力の調達力の魅力度に焦点を当てており、各国のコーポレートPPA市場の成長の可能性がランク付けされています。

EY グローバル電力・ガス・コーポレート・ファイナンスリーダーでRECAI編集長のBen Warrenは次のように述べています。

「世界中でオフサイトコーポレートPPA(企業の敷地外で発電・供給が行われるPPA)市場が成長していることからもわかるように、気候変動の問題と共に、ESGへの配慮は、引き続き再生可能エネルギー投資を増大させる最も大きく長期的な推進力となっています。大企業が意欲的なCO2削減目標と再生可能エネルギー目標を設定している今、より多くの情報に基づいた意思決定を行えるよう、私たちはPPA指標を本号のRECAIに導入しました」

また、EY JapanのSDGsカーボンニュートラル支援オフィスのリーダーであり、電力・ガスセクターのパートナー 齋藤克宏(さいとう・かつひろ)は次のように述べています。

「日本でもCOP26の開催にあわせて、再生可能エネルギーへの投資に対する関心がさらに高まっています。一方で激甚化する自然災害に対するエネルギー供給の安定確保という観点から、電力ネットワークの強靭化(レジリエンス)の必要性も高まるなかで2022年4月から配電事業の自由化が控えています。今後は基幹送電線の強靭化に加えて、デジタル技術を駆使したマイクログリッドやオフサイトコーポレートPPAに関する規制緩和に向けた動きなど新しい電力供給に向けた取り組みが日本でも拡大していくと考えます」

米国、中国本土、インドがRECAIトップ3の座を維持し、インドネシアが初ランクイン

米国は引き続きRECAIランキングで第1位となっています。バイデン大統領が新しい施策を発表しているため、今後もトップの座を維持することが見込まれます。中国本土とインドも引き続き、それぞれ第2位と第3位の座を維持しています。これは両国で、規制当局による良い流れと投資の好条件が続いているためです。

ランキング上位の国はRECAI 第58号でも健闘しており、上位8カ国の顔ぶれに変化はありません。フランス(順位を1つ上げて4位)と英国(順位を1つ下げて5位)は順位が入れ替わりました。一方、ドイツ(順位を1つ上げて6位)は、2021年前期に陸上風力発電市場に971メガワット(2020年前期比で62%増)の電力を追加するなど業績が良かったため、オーストラリア(順位を1つ落として7位)を抑えてランクを1つ上げました。

RECAIは今回、ドイツ、カザフスタン、オランダ、英国、米国などの市場において成長中の水力発電セクターと、再生可能エネルギーセクターの関連性の分析を、様々なモデルを活用して投資資金を調達し、リスクを削減している詳細を含めて行っています。洋上風力発電の開発が目立っているのは、日本、オランダ、スペイン、英国です。また、フランスとベルギー(順位を4つ上げて26位)は、両国の洋上で風力発電の大規模な開発を進める計画を発表したため、順位を上げました。

RECAI58号はまた、ギリシャ、スペイン、台湾、英国の政府による政策支援および重要な競争入札にも注目しています。フィリピン(順位を4つ上げて27位)は、2030年までにエネルギーの35%を再生可能エネルギーに転換する目標を明示し、同時に洋上風力発電開発のロードマップも策定したため、順位を上げました。一方、インドネシアが初めてRECAIにランクインしました。これは、インドネシアが、これまで以上に意欲的な再生可能エネルギー目標を打ち出し、ディーゼルと石炭を使用した発電所を廃止するための前向きな政策を展開したためです。

RECAI58号の魅力度ランキング上位40カ国の完全版リスト、新しいPPA指標、および世界各国における再生可能エネルギーの最新状況は、ey.com/recaiでご覧いただけます。

※本プレスリリースは、2021年10月12日(現地時間)にEYが発表したニュースリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

英語版ニュースリリース:
Conditions are ripe for rapid growth in renewables generation, inadequate grid investments may be a major challenge

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