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多くの組織が、新型コロナウイルス感染症によって苦境に立たされています。しかし企業は将来を見据え、次の段階に備える必要があります。
そうした中、企業の3分の2以上(71%)は、すでに変革に向けて着手しています。新型コロナウイルス感染症の拡大により、計画の中断や遅れがあったかもしれません。しかし、こうした計画は重要度と緊急度を増して再開されるでしょう。企業の4分の3が、今後は戦略とポートフォリオの見直しをもっと定期的に実施するとしており、戦略的な対応を柔軟に行う企業の例も、すでに見受けられます。
例えばある中国の電気自動車メーカーは、政府から受けたマスク増産の指示を、コンプライアンス業務としてではなくビジネスチャンスとみなしました。そのメーカーは直ちに新たな製造ラインを立ち上げ、わずか7日のうちにマスク製造装置の研究開発と実用化を完了させ、今では世界最大規模のマスクメーカーとなっています。
徐々に「日常」が戻ってくると、企業の経営幹部たちは不況の先を見据え始め、景気回復の促進とステークホルダーへの長期的な価値創出に向けた事業の再考、再建、再編をすみやかに進めるでしょう。
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新型コロナウイルス感染症が収束した後は、コロナ危機前の戦略を迅速に再開する企業が優位に立つでしょう。しかしながら、収束後の新たな市場環境や競合状況の変化を把握することが不可⽋となり、そのためにデータの更なる有効活⽤が求められます。また同時に買収や売却を通じた資産ポートフォリオのリバランスの積極的な実施も必要となるでしょう。
トランザクションについては、企業はコロナ危機前の計画に変更はないと回答しています。ほとんどの企業が新型コロナウイルス感染症の拡⼤は世界経済に深刻な影響を与えると予測しているものの、半数近くの企業(48%)は今後1年以内にM&Aを積極的に実施していくと述べています。これは、昨年の同時期よりも⾼い割合です。