3.LEAP-FI アプローチのアップデート
TNFDの考え方として、LEAPアプローチはどの業界にも当てはまると考えられてはいますが、金融サービスセクターについてはLEAPアプローチのエントリーポイントや、どこにリソースをかけるべきかが変わってくることもあり得ます。このことから、v0.1版にてLEAPアプローチを実施する前のスコーピング手法としてLEAP-FI の概要が示されていましたが、今回のv0.2版にていくつか考え方がアップデートされました。
v0.1版ではLEAP-FIとして4つのステップ(F1:金融機関タイプ、F2:金融商品・資産クラスの種類、F3:集約レベル、F4:セクター)で構成されていましたが、今回のアップデートで下記3つのステップに再構築されました。
F1:ビジネスのタイプ
F2:エントリーポイント
F3:分析のタイプ
F1:ビジネスのタイプ
このステップでは金融機関としてどのような事業を実施しているか、事業の中のメインとなる機能別部署はどこか(リテールか、コマーシャルか、投資銀行部署か)を検討します。1つの機能別部署から始め、徐々に拡張していくことも示唆されています。
F2:エントリーポイント
このステップではどのエントリーポイントが最も適切かを判断します。その際、下記3つのコアエントリーポイントが示されています。
- セクター/地理: どのセクター/地理的地域に資本を投入しているか。
- 商品タイプ/資産クラス: どんな商品タイプ/資産クラスがあり、どのように自然との関連しているか。
- バイオーム/生態系: 自社の金融活動とどのバイオーム/生態系と関連し、どのように関連するか。
F3:分析のタイプ
どのレベル(プロジェクト/サイトレベル、会社レベル、ポートフォリオレベル)での分析が実施可能で適切かを見極め、どこから始めたらよいかを判断することとなります。
上記のF1~F3のスクリーニングを実施した結果、自らの金融機関のポートフォリオ上で優先度の高いものを選択し、深掘りを進めていくことが提案されています。
スクリーニングの結果、LEAPアプローチのうち、L(Locate)から始めるか、E(Evaluate)から始めるかを判断していくことになります。