EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
平成22年3月期決算において適用されるまたは早期適用可能な会計基準等が数多くあります。また、開示府令や財務諸表等規則等の改正が行われ、新たに開示すべき事項が増えているとともに、現下の経済環境において留意すべき会計処理や開示事項にも注意を払う必要があります。本稿では、これらのうち主なものについて解説を行います。
なお、文中意見にわたる部分は筆者の私見であり、法人の公式見解ではないことを、あらかじめお断りします。
原則として、平成22年3月31日以後終了する事業年度の年度末から適用するものとされています(改正基準41項(4)および適用指針6項)。なお、金融業等に求められる定量的なリスク情報に係る開示については、平成23年3月31日以後終了する事業年度の年度末からの適用とすることができます(改正基準41項(4)なお書きおよび適用指針7項)。
本会計基準等の適用について、会計処理に影響を及ぼす場合には、会計基準の変更に伴う会計方針の変更として取り扱うことになるものと考えられます。また、会計処理に影響を及ぼさない場合でも、追加情報を記載することが考えられます。
改正基準の適用により、従来の取り扱いと異なる主な点は下表のとおりとなります。
図表1 時価が開示されない有価証券の範囲
改正後の取り扱い |
時価が開示されないことになる有価証券を「時価を把握することが極めて困難な有価証券」に限定(改正基準19項および81-2項) |
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従来の取り扱い |
「市場価格のない有価証券」について、例外的な取り扱いとして取得原価または償却原価法に基づき会計処理されていた |
これまで、「市場価格のない有価証券」に該当するものとして、取得原価または償却原価法で会計処理をされていた有価証券のうち、例えば将来キャッシュ・フローが約定されている債券等については、市場価格のない株式と異なり、時価を把握することが極めて困難と認められる場合は多くないという意見も多いとされています。これらの理由により、債券等に関しては「時価を把握することが極めて困難」と認められる場合が限定的と考えられることが示されています(適用指針39項)。この取り扱いの変更によって、当該有価証券が「その他有価証券」に分類されている場合には、従来と異なり期末の時価評価が必要となることが考えられ、場合によっては減損処理が必要となるケースも考えられます。このような場合には、会計基準の変更により会計処理に影響を及ぼすこととなります。
改正基準および適用指針の適用により開示が求められる内容は、適用指針3項および4項に定められているとおりとなります。
これまで有価証券やデリバティブで開示されていた時価等に関して、金融商品全体にその対象が拡大されています。具体的には、定性的情報と定量的情報に分けて、以下の情報を開示することが必要とされています。
図表2 適用指針に定められる注記事項
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(*1)リスク管理体制に関する事項のうち、金融業等で求められる市場リスクに関する定量的なリスク分析については、開示を翌期からとすることができます(適用指針7項)。 |
従来の有価証券やデリバティブ取引についての注記による情報開示が、金銭債権や金銭債務等の金融商品全般に対象範囲が拡大されます(下表参照)。また、各項目に関する定性的情報および定量的情報についても開示項目が拡大されます。ただし、重要性が乏しいものは注記を省略することができるとされています(適用指針3項、4項)。
図表3 適用対象となる項目の例
開示対象 |
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(参考) |
保険契約、退職給付債務、年金資産、発行者における新株予約権など純資産の部に計上される項目 |
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また、有報に限らず、会社法の計算書類においても、開示対象となります(会社計算規則98条1項8号、109条)。
なお、連結財務諸表において注記する場合、個別財務諸表における記載は不要とされています(基準40-2項、指針3項)。
連結財規および財規に基づく開示事項を下表にまとめていますので、ご参照ください。
図表4 有価証券報告書における金融商品の時価等の開示
金融商品関係(連結財規15条の5の2、財規8条の6の2) |
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有価証券関係(連結財規15条の6、財規8条の7) |
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デリバティブ関係(連結財規15条の7、財規8条の8) |
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(*1)翌期からの開示とすることができます。
(*2)附属明細表で代替可能とされています。
(*3)任意開示事項であり、連結財規および財規に規定はありませんが、適用指針4項(6)に従い注記する場合には、本項目に記載することが考えられます。
(*4)個別財務諸表のみの注記事項とされています。
(*5)ヘッジ会計が適用されている場合に、評価損益に係る注記は不要とされています。
前述のとおり、会社法の計算書類においても、開示対象となることが明示されましたが(会社計算規則98条1項8号、109条)、規則上の規定では以下の事項を開示するものとされています。
原則として、平成22年3月31日以後終了する事業年度の年度末から適用するものとされています(基準9項)。本会計基準等の適用により、新たに注記する事項については、会計基準の変更に伴う会計方針の変更には当たらないものとされていますが(基準35項参照)、本決算で注記を行う場合には、追加情報として記載することが考えられます。
本会計基準は、賃貸等不動産の保有企業に適用するものとされています(基準3項)。
本会計基準は、財務諸表の注記事項である賃貸等不動産の時価等の開示について、その内容を定めることを目的として公表されたものです(基準1項)。
賃貸等不動産とは、棚卸資産に分類されている不動産以外のものであって、賃貸収益またはキャピタルゲインの獲得を目的として保有されている不動産をいうものとされており(基準4項(2))、以下の不動産が含まれます(基準5項および6項)。
また、物品の製造や販売、サービスの提供、経営管理に使用されている場合は賃貸等不動産には含まれないとされていますが(基準4項(2))、双方の目的で使用されている場合には、賃貸等不動産として使用される部分について、時価等の開示の対象に含めるものとされています(基準7項)。ただし、賃貸等不動産として使用される部分の割合が低いと考えられる場合には、賃貸等不動産に含めないことができます(基準7項ただし書き)。
なお、開示の範囲に含まれるか否かを判定するフローチャートの例を下表に示していますので、ご参照ください。
図表5 投資不動産、遊休不動産以外の開示判定フローチャート(例)
賃貸等不動産の総額に重要性が乏しい場合には、注記を省略することができるとされており(基準8項ただし書き)、重要性の算定式は以下によるものとされています。
時価とは公正な評価額をいうものとされ(基準4項(1))、その算定方法については下表のように定められています。
図表6 賃貸等不動産における時価
原則 |
例外(容認) |
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①観察可能な市場価格に基づく価額 |
①重要性の乏しいものは一定の評価額や適切な指標に基づく価額を時価と見なすことができる |
②市場価格が観察できない場合には、合理的に算定された価額(自社における合理的な見積もりまたは不動産鑑定士による鑑定評価等) |
②第三者からの取得時または直近の原則的な時価算定を行った時から、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標に重要な変動が生じていない場合には、当該評価額や指標を用いて調整した金額 |
③①における変動が軽微であるときは、取得時の価額または直近の原則的な時価算定による価額 |
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なお、範囲設定後の一連のフローを下表にまとめましたので、ご参照ください。
図表7 開示範囲設定後の一連のフロー
(連結)財規において規定される注記事項は、基準8項と同様であり、項目は以下に記載したとおりとなっています。
会社法計算書類においても、開示対象となることが明示されており(会社計算規則98条1項9号、110条)、規則上の規定では以下の事項を開示するものとされています。
割引率の決定に際し、一定期間の債券の利回りの変動を考慮して決定することができるとしていた「退職給付に係る会計基準注解」(注6)のなお書きが削除されたため、これまでのように債券の利回りの5年平均を割引率とすることはできなくなり、期末における利回りを基礎とすることとなりました(基準2項)。
なお、これまでと同様に、割引率に重要な変動が生じていない場合には、これを見直さないことができます(基準11項なお書き)。
「合理的な補正計算」の方法として、社団法人日本アクチュアリー会および社団法人日本年金数理人会の「退職給付会計に係る実務基準」IV.割引率に関する合理的な補正計算方法(例示)には、直線補間により補正計算する方法と、平均割引期間の概念を用いた近似式を使用する方法が示されています。
割引率i%の退職給付債務・勤務費用について、割引率p%とq%の退職給付債務(p)(q)、勤務費用(p)(q)の計算結果を用いて補正を行う場合は、次のように計算することになります((社)日本アクチュアリー会および(社)日本年金数理人会の「退職給付会計に係る実務基準」付録VI)。
設例
前期の割引率 2.5%
当期の重要性の範囲 1.9~3.2%
当期の割引率 1.8%
計算依頼した割引率 1.5%、2.0%、2.5%
割引率1.5%のPBO 6,000、勤務費用 240
割引率2.0%のPBO 5,000、勤務費用 200
補正計算の方法-直線補間により計算
補正計算によるPBO
補正計算による勤務費用
設例
前期の割引率 2.5%
当期の重要性基準の範囲 1.9~3.2%
当期の割引率(5年平均)1.8%の場合のPBO 1,200
当期の割引率(期末日)1.7%の場合のPBO 1,100
⇒未認識数理計算上の差異の未処理残高 100(=1,200-1,100)
原則として、平成21年4月1日以後開始する事業年度から適用するものとされています(基準23項)。本会計基準等の適用については、会計基準の変更に伴う会計方針の変更として取り扱うことになります(基準27項)。
また、本会計基準は、その適用初年度の期首以後に着手する工事契約から適用するものとされています(基準24項)。また、「着手」とは、工事契約に係る工事原価の発生が開始することを指します(基準72項)。
本会計基準の適用により、従来の取り扱いと異なる主要な点は下表のとおりとなります。
図表8 工事契約会計基準の適用による従来との主な相違点
項目 |
工事契約会計基準 |
従前の会計基準等 |
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工事進行基準の選択 |
成果の確実性が認められれば適用が必要(基準9項) |
選択適用 |
工事進行基準の適用要件 |
信頼性をもった成果の確実性(工事収益総額・工事原価総額・決算日における工事進ちょく度)の見積もりの可否(基準9項) |
明示されたものはない |
工事進行基準が適用される対象工事の工期 |
長期に限定しない(ごく短いものは除外可)(基準52項・53項) |
長期請負工事に限定 |
販管費の工事原価への算入の可否 |
認められていない(基準34項) |
算入することが可能 |
工事損失引当金の計上 |
引当計上が明示されている(基準19項) |
企業会計原則注解18(引当金の要件)ほかで検討 |
本改正により適用される会計基準等は下表のとおりとなります。
図表9 企業結合関係の会計基準等の平成20年12月改正一覧
また、これらの公表・改正を受けて、平成21年6月9日付で日本公認会計士協会より会計制度委員会報告第7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」等の改正が公表されています(会計情報トピックス「改正『連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針』等のポイント」参照)。
原則として、平成22年4月1日以後実施される企業結合、事業分離等または非連結子会社および関連会社に対する投資に係る会計処理から適用するものとされています(企業結合基準57項など)。この場合、その他連結財務諸表に係る事項は平成22年4月1日以後開始する連結会計年度から適用になります(連結基準44項(1))。
また、早期適用が認められており、平成21年4月1日以後開始する連結会計年度(事業年度)において、最初に実施される上記の会計処理およびその他連結財務諸表に係る事項からこれら会計基準等を適用することができますが、この場合には①に記載された会計基準等のすべてを一斉に適用することが求められます(企業結合基準57項ただし書きなど)。
本会計基準等の適用については、会計基準の変更に伴う会計方針の変更として取り扱うことになりますが、影響額の注記は、後述(3)②に記載した事項を除き、不要とされています(企業結合基準58項など)。
本会計基準の適用により、従来の取り扱いと異なる主要な点は下表のとおりとなります。
図表10 企業結合会計基準の改正等による従来との主な相違点
項目 |
改正後の取り扱い |
従来の取り扱い |
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企業結合(共同支配企業の形成および共通支配下の取引以外)の会計処理 |
持分プーリング法が廃止され、パーチェス法にて処理されることとなった(企業結合基準17項)。 |
企業結合が取得と判定された場合にはパーチェス法で、持分の結合と判定された場合には持分プーリング法で処理されていた。 |
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企業結合に係る対価(株式を対価とする場合)の測定日 |
企業結合日の時価を基礎として算定されることとなった(企業結合基準24項など)。 |
原則として、企業結合の主要条件が合意され公表された前5日間の株価を基礎とするとされていた。 |
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連結財務諸表における段階取得の会計処理 |
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個々の取引における原価の合計額(持分法評価額を含む)をもって、支配獲得時の取得原価とするものとされていた。 |
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負ののれんの会計処理 |
識別可能資産・負債の把握、取得原価配分の見直しを行い、なお負ののれんが生じる場合に、発生時の利益とするものとされた(企業結合基準33項など)。 |
のれん(借方)と同じく、一定の年数での償却処理が求められていた。 |
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仕掛研究開発費の会計処理 |
識別可能な仕掛研究開発費について、無形固定資産として取得原価を配分し、資産計上することとなった(企業結合基準28項および29項など)。 |
仕掛研究開発費に取得原価が配分された場合、配分時の費用とするものとされていた。 |
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連結財務諸表作成時の子会社の資産・負債の評価方法 |
部分時価評価法が廃止され、全面時価評価法に一本化された(連結基準20項)。 |
全面時価評価法と部分時価評価法の選択適用とされていた。 |
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在外子会社株式の取得により生じたのれんの換算 |
各子会社に適用される決算日時点の換算レートで、毎期換算替されることとなった(改正適用指針77-2項)。 |
親会社の通貨である円貨で固定されているとし、発生時のレートで換算されていた。 |
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共同支配投資企業に対する投資の会計処理 |
「のれん」部分を処理する方法(通常の持分法)で会計処理を行うこととなった(企業結合基準39項(2))。 |
「のれん」部分を処理しない方法(持分法に準じた処理方法)で会計処理されていた。 |
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連結会計基準に定めのない企業結合に係る会計処理・開示(※) |
企業結合会計基準に準拠した処理・注記を行うことが明確化された(連結基準注15)。 |
企業結合会計基準の定めに準じて処理することができるとされており、準じた処理を行った場合には注記が必要とされていた。 |
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「少数株主損益調整前当期純損益」の表示 |
連結損益計算書の「少数株主損益」の直前に「少数株主損益調整前当期純損益」が表示されることとなった(連結基準39項(3)②)。 |
税金等調整前当期純損益と最終損益(当期純損益)との間に段階損益は表示されていなかった。 |
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特に、開示面において、従来は企業結合や事業分離の注記が求められていなかった、連結会計基準に従って会計処理された企業結合(新たに子会社を連結に含めることとなった場合や子会社株式の追加取得および一部売却等があった場合)についても、以下の注記が必要とされたため、留意が必要です(上表(※))。
原則として、本会計基準等の適用により、従前の会計処理についてはその取り扱いを継続し、適用日において会計処理の見直しおよび遡及(そきゅう)的な処理は行わないとされています(企業結合基準58項ただし書きなど)。従って、過年度に負債に計上した負ののれんについても、従来の処理・開示を継続することになります(平成21年内閣府令第5号附則3条1項1号)。
ただし、本会計基準等の適用前において、子会社の資産・負債の評価方法として部分時価評価法を採用していた会社は、その適用初年度の期首時点において、全面時価評価法を用いた評価額に修正する必要があります(連結基準44項(3)ただし書き)。
①に記載した、部分時価評価法から全面時価評価法への修正による影響額を除いて、会計方針の変更に伴う影響額の注記は要しないものとされています(連結基準44項(4)など)。
新会計基準等以外の部分では、以下のものについて新たに開示を要求されます。
定時株主総会前に有価証券報告書を提出する場合、その記載事項および当該記載事項に関するものが当該定時株主総会または当該定時株主総会の直後に開催が予定される取締役会の決議事項となっているときは、それぞれ該当する個所において、その旨およびその概要の記載が必要となります。
取得請求権付株券を発行した場合には「第4 提出会社の状況」「1 株式等の状況」「(1)株式の総数等」「①株式の総数」の図表の「種類」の欄にその旨を記載する必要があります(様三記(20)c)。そして、「②発行済株式」「内容」の欄には、冒頭に行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の特質を具体的に記載する必要があります(様三記(20)d)。
また、「②発行済株式」の図表の欄外に以下のものを記載することとなります(様三記(20)e)。
なお、行使価額修正条項付新株予約権付社債券等として新株予約権等を発行している場合には、その旨、特質とともに、「②発行済株式」の図表の欄外の記載と同様のものを「新株予約権等の状況」の図表の欄外に記載します(様三記(21)f)。
また、「行使価額修正条項付新株予約権付社債券等の行使状況等」について、平成22年3月期決算では記載事項がないこととなります(様三記(21-2)、平成21年内閣府令第73号附則8条3項)。
以下のものを「第4 提出会社の状況」「1 株式等の状況」において「(10)従業員株式所有制度の内容」として具体的に記載する必要があります(様三記(27-2)、様二記(47-2)a)。
なお、従業員株式所有制度を導入していない場合には、項目名も含め記載は不要とされている点に注意が必要です(様三記(27-2)、様二記(47-2)b)。
② 役員報酬(様三記(37)、様二記(57)a(d))
③ 株式の保有状況(様三記(37)、様二記(57)a(e))(銀行等以外の会社)
イ. 純投資目的以外の目的で保有する株式の銘柄数および貸借対照表計上額の合計額を記載する。
ロ. 純投資目的以外の目的で保有する株式(非上場株式除く)について、(ⅰ)または(ⅱ)に該当する場合には、銘柄、株式数、貸借対照表計上額を記載するとともに、当該銘柄ごとの保有目的を具体的に記載する。
(ⅰ)銘柄別による有価証券の貸借対照表計上額が、当事業年度の資本金額または株主資本の合計額のうち少ない金額の100分の1を超える場合
(ⅱ)貸借対照表計上額の上位10銘柄に該当する場合
ハ. 純投資目的で保有する株式は、上場株式と非上場株式に区分し、当事業年度および前事業年度の貸借対照表計上額、当事業年度の受取配当金、売却損益および評価損益のそれぞれの合計額を記載する。なお、株式の保有目的(純投資目的とそれ以外)の変更を行った場合には、銘柄ごとに、銘柄、株式数、貸借対照表計上額を記載する。
なお、銀行等は、開示項目が異なったり、適用時期が1期遅くなるものがあるなど、別の取り扱いとなっています。
また、平成23年3月期決算以降、みなし保有株式(議決権行使権限を有する株式。例えば、保有株式を信託銀行に信託に出して信託受益権を譲渡したが、当該株式に係る議決権行使の指図権限を有するもの等)に係る開示を行うなど、追加の開示が求められます。
新会計基準等以外の部分では、以下のものについて新たに開示を要求されます。
事業報告の「2.株式に関する事項」として、従前は発行済株式の10分の1以上を有する大株主の状況の開示が要求されていましたが、上位10名の株主の状況として以下の開示が要求されます(施行規則122条)。
年度の課税所得等の発生状況なども踏まえ、監査委員会報告第66号「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」の会社区分の見直しを検討する必要があるかどうか、慎重な判断が必要です。
繰延税金資産の回収可能性を判断する際には、以下の3点の見積もりが非常に重要となります。
減損会計基準等では、以下の事項が減損の兆候として例示されていますが、これらはあくまでも例示であり、会社の状況に応じて適切な判断が行われる必要がある点に留意する必要があります。
減損の兆候の有無の把握、減損損失認識の要否の判断および減損損失の測定に際し、特に留意して実施すべきと考えられる項目は以下のとおりです。