米国、税制改革案を発表
Japan tax alert 2017年9月29日号
2017年9月27日、トランプ政権と与党・共和党は、法定法人税率を20%に引き下げ、海外利益に対する課税をテリトリアル方式へ移行させる「崩壊した税法を修正するための統一フレームワーク(Unified Framework for Fixing Our Broken Tax Code)」を発表しました。また、パススルー事業体の事業所得の最高税率を25%とし、個人所得が事業所得として区分されることを確実に防ぐため、委員会が濫用防止措置を講じる考えを示しました。
主たる内容は、以下のとおりです。
法人税及び事業活動に対する課税
- 中小規模の自営業、パススルー主体の事業所得は原則25%課税
- 法人税率20%
- AMT撤廃検討
- 内国法人間の配当益金課税のさらなる軽減検討
- 2017年9月27日以降に事業用途に供される動産事業資産の100%初年度償却
- C corporationによる支払利息損金算入制限
- C corporation以外の事業体による支払利息損金算入の在り方再検討
- 製造者控除(Section 199控除)の撤廃
- R&D及び低所得者住宅税額控除温存
- 他の特殊恩典再検討
- 産業別に適用される各種恩典再検討
国際課税
- 海外子会社からの配当非課税(テリトリアル課税制度)
- テリトリアル課税制度移行時に経過措置として海外子会社の累積配当原資に低税率にて一括課税(原資が再投資されているか否かで異なる税率適用)
- テリトリアル課税制度移行後に海外子会社への不当な所得移転を防ぐためBase Erosion対策の強化
個人所得税
- 現状の7税率区分を12%、25%、35%の3区分に簡素化(ただし、高所得者にはもう一段高い税率を規定する可能性あり)
- 標準控除額の倍増
- 住宅ローン金利、慈善団体への寄付金を除く個別控除撤廃
- 人的控除撤廃。代わりに子女税額控除拡充
- 子女以外の扶養家族にも限定的な税額控除新設
- 代替ミニマム税(AMT)撤廃
- 退職金制度、高等教育、職業訓練等の既存恩典規定は簡素化の上温存
- 現存の各種控除の撤廃
遺産税
- 遺産税及びGeneration Skipping税の撤廃
今後の国会における法案審議の過程において、一部項目の修正・削除・追加などが行われる可能性があることにご留意ください。