EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
当社は上場を目指している小規模な会社です。上場するには内部監査が必要と聞いておりますが、人員をあまり増やす訳にも行かず困っています。どうすればよろしいでしょうか?
小規模でも上場している会社はあります。
「財務報告に係る内部統制報告制度」(J-SOX)において必ずしも内部監査室が必要という訳ではなく、内部監査に従事する方が公正性及び独立性を確保する事ができれば問題はありません。
内部監査に従事する人は、監査対象部門や監査対象である社内の各業務からの独立性を確保している必要があります。他の通常業務と兼務する場合には、独立性に疑義があると考えられて問題となるケースも多く、独立性確保の観点から、社長直属の内部監査室を置くことがよく行われています。
しかし、業務からの独立性を確保できれば問題はないため、例えば、総務部門の方が内部監査人を兼任し、当該総務部門に対する内部監査は別部門の担当者が担えば形式的にはクリアできるものと考えます。
ただし、内部監査は、内部監査の計画を立案し、社内の各業務を一巡するように実施し、改善提案等もふまえた報告書をまとめるなど業務量が決して軽いとは考えられないため、兼任を行う際には業務負担を慎重に検討する必要があります。
なお、上場審査において内部監査のアウトソースについても容認されています(東証マザーズ「新規上場の手引き Ⅳ上場審査の内容 3企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性(規程214条第1項第3号)基準の内容・審査のポイント」)。上場審査においては、上場申請会社が主体的に関与を行っていればよく、計画書の作成や内部監査の実施等をアウトソーサーが行っても問題はないものと考えられます。