13 分 2021年6月24日

            自宅のゴミを分別する人

CEOが直面する喫緊の課題:サステナビリティを消費者の手に届くものにする

執筆者
Kristina Rogers

EY Global Consumer Leader

Global leader for consumer industries. Marketing strategist. Worked in 20 countries. Harvard MBA. Photographer. Scuba diver. Canadian fiction reader. Mother of two.

Andrew Cosgrove

EY Global Consumer Knowledge Leader & Lead Analyst

Consumer futurist. Strategist with global FMCG experience. Storyteller. Photographer. Father.

投稿者
EY Japanの窓口

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 リード アドバイザリー パートナー / EY Japan CPRマーケットセグメント リージョナルリーダー

国内外のM&Aトランザクションに関わるファイナンシャルアドバイザリーサービスを提供。 CPRマーケットセグメント リージョナルリーダーとして、CPRセクターにおけるEYの活動を主導。

13 分 2021年6月24日

EYのFuture Consumer Index調査から、できればサステナブルな商品やサービスを選択したいと消費者が考えていることが分かりました。このようなニーズにCEOが応える上で役立つ戦略が5つあります。

要点
  • 「サステナブル志向の消費者」と言っても一様ではない。価値観や行動はさまざまであり、その微妙な違いが極めて大きな意味を持つ。
  • 自分が重視することを反映した商品であれば、割高でも購入したいと多くの人が考えている。
  • 消費者は今後、ブランドにとどまらず、そのバリューチェーン全体のサステナビリティに目を向けるようになる。
Local Perspective IconEY Japanの視点

世界的に、消費者のサステナビリティに対する意識が高まっています。本記事では、サステナビリティに関連する消費者の関心の対象、消費行動への影響、消費者の企業に対する期待に関する調査結果と、企業が消費者のサステナビリティ意識の高まりを成長機会として捉えるための5つの戦略を提言しています。

サステナビリティ意識の高まりは世界的なトレンドですが、国や世代によって、その意識には違いも見られます。

  • 人々のサステナビリティに対する考え方に大きく影響した新型コロナウイルス感染症のパンデミックについて、日本の消費者は、パンデミックによる影響が今後1年またはそれ以上続くと悲観的に見ている割合が他国に比べ高く、過去1年でその割合はさらに上昇した
  • 日本の消費者は、気候変動に対して特に強い懸念を抱いている
  • X世代とベビーブーム世代は、サステナビリティ推進のために、エコバッグの使用、リサイクル、省エネなど、手軽な対応を好む一方で、Z世代は、ライフスタイルそのものをサステナブルなものに変えたいと考えている割合が高い
  • 割高なためサステナブルな商品の購入を思いとどまる人が多い中、Z世代は、割高でもサステナブルな商品を購入すると答えた割合が他の世代に比べ高い

日本においても消費者のサステナビリティに対する意識は高まっています。多くの消費者がサステナビリティへの対応は、企業や組織が主導的役割を担うことを期待しています。企業に対する消費者の期待へ対応し、消費者のニーズが高まるサステナブルな商品を消費者が許容できる価格で提供していくために、企業には多くが求められています。

本調査は、2020年4月から継続して行っており、次回は第8回目となる調査を2021年10月に予定しています。

 

EY Japanの窓口

平元 達也
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 リード アドバイザリー パートナー / EY Japan CPRマーケットセグメント リージョナルリーダー

パンデミックが発生した当初から、どの国の消費者も、コロナ禍が収束した後の時間とお金の使い方に関しては、今までよりサステナビリティを重視した選択をするつもりだと回答しています。この点について、消費者心理は国を問わずまったく変わっていません。

実際、今年は気候変動から貧困や社会的不公正まで、あらゆるサステナビリティ問題が一斉に政治、社会、企業、そして消費者に関わる議題に上る年になるかもしれません。今年11月に国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が開催されます。EYはグローバル企業とのプロジェクトを通じて、サステナビリティが目下、取締役会の最大の関心事であることを承知しています。

CEOが直面する喫緊の課題(CEO Imperative)シリーズでは、CEOが組織の未来を創る上で役立つ、重要な課題と対応策について考察しています。今回は、ブランドとその企業に対して消費者が抱くサステナビリティ面の期待の変化と、それにCEOがどのように対処できるかについて説明します。

最終的に言行を一致させることができるか

EY Future Consumer Indexの最新版によると、世界全体の消費者の43%が、社会に貢献する企業であれば、割高でもその企業の商品やサービスの購入頻度を増やすと回答しています。また、64%が社会に貢献できるのであれば、いつでも行動を変えるつもりだとしています。

消費者は、サステナブルな商品やサービスであれば割高でも購入すると言いながら、それを行動に移さないことが多々あります。世界が徐々にパンデミックの影響から回復する中、この言行不一致が解消される兆しが見えるようになりました。そうなれば、消費者向けビジネスに携わる企業が成長する大きなチャンスが生まれるでしょう。しかし、そのチャンスをつかむためには、今、変革を起こさなければなりません。特に必要となるのは、ターゲットとする消費者のそれぞれ微妙に異なる関心に対応した商品の開発です。また、ブランドを裏で支える企業活動も消費者の期待に沿ったものにするよう取り組むことが求められます。

CEOはどのように対処すればよいのでしょうか。以下に示す5つの戦略が、企業の行動のあり方に対する消費者の期待の変化に対応しながら、消費者のニーズが高まるサステナブルな商品を、消費者が喜んで支払える価格で提供する上で役立つでしょう。

  1. 価値創造を推進するドライバーとしてサステナビリティに取り組む
  2. 総合的な視点に立ちながら、自社にとって何が重要かを考えて行動する
  3. 偽りのない姿勢で取り組み、それをいつでも証明できる体制を整えておく
  4. バリューチェーン全体に良い影響を積極的に与えていく
  5. サステナブルな業務遂行に向けて経営モデルを見直し、新たなモデルを迅速に構築する

危機からの回復ペースは国によって異なり、また世界中の人々がいまだに自分の将来に深い懸念を抱いています。このように困難なときこそ、サステナビリティに対する消費者の関心の高まりを、さらなるリスクやコストを生むものとしてではなく、成長のチャンスと捉えることが肝要です。

そのためには、パンデミックを経験したことで、サステナビリティに対する考え方がどのように変わったかを詳しく理解する必要があります。このIndexによると、消費者が何に価値を見いだし、何に対してならば実際にお金を使ってもよいと考えているかは、国、商品やサービスの種類、セグメントにより異なります。このような違いは微妙かつ複雑であり、矛盾していることも少なくありません。

  • 84%が購入の決定をする際にサステナビリティは重要な要素になると回答する一方、47%がサステナブルな商品は高過ぎて買えないと答えています。
  • 消費者の86%が商品の購入時に包装の量を考慮する一方、35%が感染対策として包装を増やしてほしいと考えています。
  • 消費者の61%がよりサステナブルな選択ができるよう情報をもっと提供してほしいと考える一方、パッケージや広告に表示されたサステナビリティへの取り組みについての説明をチェックしている人は20%しかいません。

サステナブルな買い物を望む消費者が増えており、消費者はそれを可能にすることを企業側に求めているのです。多くの消費者は、サステナビリティのために割高な商品やサービスを購入する経済的余裕がありません。価格は、相変わらず最大の購買決定要因です。また、よりサステナブルな商品やサービスを選択したいと考える消費者の多くが、自分の価値の変化に対応した商品を手にすることができずにいます。成功するためには、サステナビリティをより多くの消費者の手に届くものにすることがCEOに求められます。

サステナビリティに関心を持つ消費者とその関心の対象とは

EYのFuture Consumer Indexで世界の消費者の心理動向を追跡調査するようになって1年がたちました。その間も、サステナビリティを重視する消費者は増えています。しかし、経済的不確実性により、消費者は値頃感も重視せざるを得ない状況です。

私たちが「環境優先」と名付けたセグメントは消費者全体の18%を占めていますが、最も大きいセグメントは「価格優先」(31%)です。このコストを重視する消費者のうち約27%は、サステナビリティは重要な購買決定要因だと答えていますが、73%は割高であるためにサステナブルな商品の購入を思いとどまると回答しています。

国や人口動態による優先事項の違いも加味すると、消費者の望む商品やサービスを手頃な価格で提供することはさらに複雑な取り組みとなります。例えば、フランスの消費者に「サステナビリティ問題」の定義に当てはまる課題の上位3つは何かと尋ねたところ、44%が気候変動対策の必要性を強調しました。この割合は、米国の消費者では23%、インドでは16%にとどまります。

だからといって、米国とインドの消費者が気候危機に無関心だというわけではありません。異なる視点からサステナビリティを見ているのです。例えばインドでは、気候変動より国民の健康と幸福をサステナビリティ問題として挙げる消費者が多いのです。

サステナビリティ問題以外も含めて、何が⼀番の懸念事項かを消費者に尋ねた結果、日本では56%、ドイツでは53%が気候変動と答えました。米国では、この割合が38%にとどまっています。

項目によっては、国内の関心度合いが世界全体のそれと著しく異なるケースも見られます。英国では、プラスチック廃棄物に懸念を示す消費者の割合が世界全体のそれを上回っています(英国では44%、世界全体では33%)。また中国では、大気汚染が消費者にとって特に大きな関心事です(中国では57%、世界全体では33%)。このような差は、その消費者の生活環境が国や地域によって異なることを反映していると考えられます。

これが支出に与える影響とは

商品を実際に購入する際に、消費者がサステナビリティを最も重視するカテゴリーは食品です。一方、衣類とパーソナルケア用品も上位にランクされています。
国別で見ると、インド、中国、ブラジル、インドネシアの消費者が、その他の国に比べてサステナビリティを考慮に入れる傾向にあります。米国は商品やサービスの種類を問わず全体的に他国に後れを取っています。

サステナビリティのために何かをしたいと考えているのはどのような消費者か

サステナビリティの定義や、どの問題に関心を持つかは消費者によってさまざまです。その違いが、よりサステナブルな生活や消費行動のために何をしたいか、何にお金を使い、何を犠牲にしようとするかに表れています。

ブラジルでは、消費者の48%がサステナブルな商品やサービスであれば割高でも購入したいと考えています。この割合は、オーストラリアでは24%にとどまり、米国では18%にすぎません。世代間でも違いが見られます。世界全体で見ると、Z世代の消費者の35%が割高でも購入したいと考えているのに対して、ベビーブーム世代では28%です。

世代による考え方の違いは、サステナビリティ推進のために何をしたいか、何を犠牲にしようとするかにも歴然と表れています。X世代とベビーブーム世代は、若い世代に比べて、エコバッグを持って買い物に行く、パッケージの再利用やリサイクルをする、省エネをするなど、手軽な対応をとる傾向がはるかに高く見られました。

一方、Z世代とミレニアル世代は、野菜中心の食生活や公共交通機関の利用など、サステナブルなライフスタイルを好む人の割合がはるかに大きいのが特徴です。また、環境に優しい商品の情報を友人や同僚と共有する傾向も見られます。

消費者が企業に期待すること

サステナビリティに対する考え方の消費者による微妙な差異と、それが購買の嗜好にどのような影響を及ぼすかを理解するだけでは十分とは言えません。消費者のサステナビリティ面の期待は高まり、その対象はブランドだけでなく、企業全体がどのような行動をとるかにも及んでいます。

消費者の期待値のハードルは世界的に上がってきています。

   
  • 消費者の51%が、よりサステナブルな未来の創造につながる購買決定のために自身ができる限りのことをしていると考える一方、68%は企業や組織が主導的役割を担うことを期待している。
  • 消費者の55%が、社会と環境を向上させる取り組みをけん引するよう企業や組織に働きかける必要があると考えている。
  • 世界全体の消費者の73%が、ブランドには社会に良い変化をもたらす責任があると考えている。
  • 世界全体の消費者の80%が、ブランドは商品やサービスの生産が環境に与える影響について透明性を担保しなければならないと考えている。
  • 世界全体の消費者の38%が、企業は商品とサービスについて責任ある生産と消費を優先させなければならないと考えている。
 

多くの消費者は、よりサステナブルな未来の実現に自分も貢献できると感じています。割高であるためサステナブルな商品の購入を思いとどまる人が66%いる一方、29%は気候変動対策のためならもっと税金を払ってもいいと考えています。これは、パンデミック対策のための税金であれば、高くても納付したいと答えた12%をはるかに上回りました。

サステナビリティを手の届くものにするためのCEOのアジェンダ

以下に示す5つの戦略が、企業の行動のあり方に対する消費者の期待の変化に確実に対応しながら、消費者のニーズが高まるサステナブルな商品を、消費者が喜んで支払える価格で提供する上で役立つでしょう。

1. 価値創造を推進する一助としてサステナビリティに取り組む

サステナビリティを、コストのかかるものとしてだけでなく、事業を成長させ、効率化を図り、新たな価値の源泉を創造する手段として捉えるよう従業員に促すために、企業文化をどのように変えていますか。消費者の54%は、環境問題や社会問題への対応が不適切だと考える企業の商品やサービスの購入を減らしたり、完全に止めたりしています。これは、問題の一端を担うブランドから離れるというだけではありません。問題の解決に積極的に取り組むブランドに乗り換えることになるのです。

 
  • パーパス(目的)を重視するブランドとしての位置付けを確立し、成長につなげる。サステナビリティは、成長を加速させる差別化要因です。割高であればサステナブルなブランドを進んで購入しようとは思わない消費者が多くても、サステナブルではない競合ブランドより購入される確率は高くなります。
  • サステナブルな取り組みに投資して効率化を図る。廃棄物や排出量が少なく、長持ちする製品は、コストを削減でき、サステナビリティを消費者にとってより手頃なものにすることができます。
  • 問題を未然に防ぐだけでなく、価値を創造する。サステナビリティへの取り組みでは、悪影響の軽減に焦点が当てられています。しかし、積極的に価値を創造していくには、再生重視の考え方が必要です。これは循環型経済の一環であり、人や環境に貢献できる新たな商品、サービス、ビジネスモデルを設計することに他なりません。

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2. 総合的な視点に立ちながら、自社にとって何が重要かを考えて行動する

サステナビリティ面のパフォーマンスの推移を常に把握する必要性と、より幅広いビジョンを実現させる必要性のバランスをどのように取っていますか。倫理面、社会面、ガバナンス面の指標や目標はそれぞれ個別に達成しなければなりません。しかし、変革の原動力となるのは、それぞれの効果を結集させた力です。そして消費者は、従来担うべき責任の範囲を超えた問題にも企業が変化をもたらすことを期待しているのです。例えば、38%が貧困の根絶を国や社会だけでなく、企業の優先課題にもすべきだと回答しています。

 
  • サステナビリティを多面的に捉える。サステナビリティは、気候と自然環境に限った問題ではありません。多様性、インクルージョン、不平等、労働慣行、労働安全衛生、現代の奴隷労働に対する消費者の優先度は市場によって異なります。これらはすべて重要な問題です。しかし、自社の企業活動にとって重要な意味を持つ問題に集中することが業績の向上につながります。
  • 各課題が相互に依存していることを考慮する。二酸化炭素は、この20年間、多くの企業が重点的に取り組んできた課題です。しかし、これは廃棄物、水使用量、プラスチック汚染、生物多様性など別の優先課題とも密接に結びついています。
  • サイロ化を避けながら、専門知識を構築する。サステナビリティは複雑に入り組んだ問題です。急速に変化するこの分野について深い専門知識を有する人材に、対応の指揮を執らせる必要があります。その一方で、サステナビリティを独立した事業部門ではなく、企業文化の一部とし、意思決定に組み込み、全員が共通の目標に向かって取り組む体制を整えなければなりません。
 
3. 偽りのない姿勢で取り組み、それをいつでも証明できる体制を整えておく

製品を裏で支える企業活動や事業運営の実態を外部の人たちが見ることができるようにするために、組織の透明性をどのように高めていますか。世界全体の消費者の80%が環境に与える影響についての透明性の担保をブランドに期待しています。そのため、これは市場をリードし、そうした消費者の信頼を得るチャンスです。最適なデータを使って進捗状況を明らかにし、テクノロジーを活用して、消費者のニーズが高まる透明性とトレーサビリティを担保することが重要です。

 
  • 意欲的かつ測定可能な、達成の見込みがある目標を設定する。根拠を示せないあいまいな約束をする企業や、現実的に考えて到底達成し得ない目標を掲げ、実現できなかった企業は報いを受けることになるでしょう。
  • 非財務KPIを用いる。進捗状況の測定には、インセンティブに沿った最適な指標を用いてください。また、この指標はあらかじめ明確に定めておく必要があります。
  • すべてのステークホルダーに包み隠さず、正直に情報を開示する。消費者は、目立つものの効果の薄い取り組みを前面に押し出して、問題点にほとんど触れない企業より、問題点をさらけ出し、それに対処しようとする企業に寛容な姿勢を見せるはずです。
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4. バリューチェーン全体に良い影響を積極的に与えていく

サプライヤーやパートナーの行動と、それがサステナビリティに与える影響の可視化をどのように向上させていますか。企業がグローバルな目標を設定しても、国や地域の各現場にこの実行を頼らざるを得ないことが多々あります。そのため多くの企業は、常に確かめたり、管理したりできない上流や下流の影響から生じる財務リスク、規制リスク、風評(レピュテーション)リスクにさらされています。しかし、世界全体の消費者の68%が、企業は社会と環境のための高水準な取り組みを進めることを全サプライヤーに徹底させなければならないと回答しています。

 

  • 成功した取り組みについて、全社的な観点から評価する。顕著な実績をあげた、一部門や一地域の取り組みを大局的な観点から評価することがリーダーには求められます。例えば、ある工場で水の使用量を25%削減すると、優れた事例として注目を集めるかもしれませんが、全工場で5%削減させた方が、より有意義な影響をもたらすことができるかもしれません。
  • 自社の企業活動の先を見据える。企業の評価を左右するのは、自社の企業活動だけではありません。スコープ3排出量(自社の上流・下流からの二酸化炭素排出量)から、商標のついたゴミや、原料の供給元である農場の問題のある労働慣行まで、製品のライフサイクルを通じて製品やパートナーが与える影響からも判断されます。テクノロジーを活用して透明化を図ることで、活動のサステナビリティを測定し、向上させ、後押しすることができます。
  • 組織的な解決に向けて連携する。多くの企業が直面する課題は、一致団結し、責任を分かち合うことで解決するのが一番の近道です。世界に影響を与える問題では、連携する相手を探しましょう。たとえそれが競合他社であっても、手を組む必要があります。

 

5. サステナブルな業務遂行に向けて経営モデルを見直し、新たなモデルを迅速に構築する

サステナビリティ面に関する消費者の期待の変化に対応し、サステナブルな未来を創る上ですべての業務で必要とされる柔軟性を備えさせるために何をしていますか。これはコスト削減に限ったことではありません。例えば、世界全体の消費者の27%が、労働環境が安全でインクルーシブであり、従業員が適正な報酬を受け取っていることを確認できる商品であれば、割高でも購入したいと考えています。

この5つの戦略はいずれも、価値と影響の両方をどのように生み出し、測定するかを見直す機会となります。消費者に存在価値を示し続けるためには、1つあるいは数個のビジネスモデルではなく、複数の新たな戦略を効率的に支える経営モデルが必要です。将来の経営モデルには、以下の5つの設計要素を組み込む必要があります。

  1. 機敏性を高め、収益向上を促すダイナミックなエコシステム
  2. 消費者の声に耳を傾け、データとアナリティクスに基づきリアルタイムに意思決定を下す組織
  3. 働き方の見直しにつながる柔軟性のある人事制度
  4. 大規模なプロジェクトに発展する可能性のあるアイデアを育むイノベーションプラットフォーム
  5. すべての意思決定と活動の基盤となる永続的なパーパス

サマリー

消費者は、サステナブルな商品やサービスであれば割高でも購入すると言いながら、それを行動に移さないことが多々あります。世界が徐々にパンデミックの影響から回復する中、この言行不一致が解消される兆しが見えるようになりました。そうなれば、消費者向けビジネスに携わる企業が成長する大きなチャンスが生まれるでしょう。しかし、そのチャンスをつかむためには、今、変革を起こさなければなりません。特に必要となるのは、ターゲットとする消費者のそれぞれ微妙に異なる関心に対応した商品の開発です。また、ブランドを裏で支える企業活動も消費者の期待に沿ったものにするよう取り組むことが求められます。

この記事について

執筆者
Kristina Rogers

EY Global Consumer Leader

Global leader for consumer industries. Marketing strategist. Worked in 20 countries. Harvard MBA. Photographer. Scuba diver. Canadian fiction reader. Mother of two.

Andrew Cosgrove

EY Global Consumer Knowledge Leader & Lead Analyst

Consumer futurist. Strategist with global FMCG experience. Storyteller. Photographer. Father.

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EY Japanの窓口

EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 リード アドバイザリー パートナー / EY Japan CPRマーケットセグメント リージョナルリーダー

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