監査におけるAIの活用

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AIと全量データを活⽤したリアルタイムなリスクの識別へ

東京大学大学院やEY内の不正調査、業種セクター、テクノロジーの専門家と協働して、公開情報や企業内部の全量データを分析するさまざまなAI監査ツールを開発、実用化しています。

AIを活用した監査ツールの概要

連結財務諸表レベルおよび個社レベルの異常検知によりリスクの高い会社や勘定科目を特定し、仕訳レベルの異常検知や、取引明細レベルの異常検知などとシームレスに連携させることで、効率的かつ効果的な分析の実現を目指しています。

デジタル監査ツール概要

WebDolphin/TBAD

AIを利用した財務分析ツール​​​​

Dolphin AIを利用した財務分析ツール​​​​

分析対象

  • 有価証券報告書(WebDolphin)
  • 子会社財務諸表(TBAD)

適用セクター

  • 全セクター

活用方法

  • 過去10年分以上の上場企業の財務データを用いて財務指標を分析
  • 学術研究に基づく不正会計予測モデルを利用

リスク検知やインサイト事例

  • 同業他社比較による業界動向の把握やビジネスを理解
  • 不正の兆候把握
  • 監査対象外子会社含め異常な財務数値の識別
  • 子会社財務数値の同業他社との比較

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General Ledger Anomaly Detector (GLAD)

会計仕訳異常検知ツール​​​

General Ledger Anomaly Detector (GLAD) 会計仕訳異常検知ツール​​​

分析対象

  • 総勘定元帳(仕訳)

適用セクター

  • 全セクター

活用方法

  • 機械学習により仕訳データから取引パターンを識別
  • パターンから乖離した仕訳を抽出するアルゴリズムを利用

リスク検知やインサイト事例

  • 売上高の二重計上の識別
  • 経理部門で把握していない修正仕訳の識別
  • 納期を前倒しした売上の識別

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Sales Ledger Anomaly Detector (SLAD)

売上取引異常検知ツール

Sales Ledger Anomaly Detector (SLAD) 売上取引異常検知ツール

分析対象

  • 補助元帳

適用セクター

  • 主に卸売業
  • 情報関連​​​​​​​サービス業

活用方法

  • 補助元帳から循環取引などの不正リスクの高い売上取引を検知
  • 売上全体や時系列の動きを視覚化

リスク検知やインサイト事例

  • 主要仕入先に対する売上取引の抽出
  • 取引先別月次売上高分析にて担当者の計上誤りの識別

Project Progress Anomaly Detector (PPAD)

進捗度異常検知ツール

Project Progress Anomaly Detector (PPAD) 進捗度異常検知ツール

分析対象

  • 各プロジェクトの明細データ

適用セクター

  • 主に建設セクター

活用方法

  • 機械学習により進捗率等を予測
  • プロジェクト全体及び個々の動きを視覚化

リスク検知やインサイト事例

  • 監査人がリスク対象として検討すべき工事の識別
  • 工事損失が発生する可能性のある工事の識別

eXplainable AI

説明可能なAI

eXplainable AI 説明可能なAI

進捗度異常検知ツールへの分析機能の追加

  • 各工事契約の特徴量(工事種類、担当支店、工期等)が、どの程度推定値の算定に影響しているかを把握
  • 監査人がリスクが高いと識別した工事契約に対して、重要な特徴量が類似する他の工事契約を提示

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Branch Anomaly Detector (BranchAD)

拠点損益異常検知ツール​​​​​​​

Branch Anomaly Detector(BrAD) 拠点損益異常検知ツール​​​​​​​

分析対象

  • 各拠点の明細データ

適用セクター

  • 主に小売・外食セクター

活用方法

  • 回帰分析による不自然な損益の検知
  • 拠点間の付替による減損回避リスクの識別

リスク検知やインサイト事例

  • 減損リスクが高い店舗の特定
  • 異常に高額な取引が行われた店舗の識別

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TBAD for FSO

自己査定異常検知ツール

TBAD for FSO 自己査定異常検知ツール

分析対象

  • 貸出先の与信情報及び財務情報

適用セクター

  • 法人貸出を行っている金融業

活用方法

  • 機械学習により貸出先の債務者区分を予測
  • 与信ポートフォリオ全体や業種別など様々な切り口での動きの視覚化

リスク検知やインサイト事例

  • 監査人がリスク対象として検討すべき貸出先の識別
  • 信用リスクが悪化している業種の識別
デジタルの変革

デジタルの変革

AIと全量データを活⽤したリアルタイムなリスクの識別などデジタル監査ツールの開発・適⽤とともに、テクノロジーを活⽤したデータ分析(データドリブン監査)と監査メソドロジーとが融合した監査⼿法(Digital GAM)の運⽤が始まっています。

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情報センサー記事のご紹介

「情報センサー」は EY新日本有限責任監査法人が毎月発行している定期刊行物です。国内外の企業会計、税務、各種アドバイザリーに関する専門的情報を掲載しています。「情報センサー」について詳しくは、 こちらをご覧ください。
プロセスマイニングによる会計監査の高度化 ― 活用例と展望

近年日本で利用が拡大しているデータ分析手法であるプロセスマイニングについて、会計監査における活用例を紹介します。(情報センサー 2023年5月号)

建設業におけるデータビジュアル化による分析

建設業の企業に対する監査における、会計不正の手口に対応したビジュアルを用いたデータ分析手法について、具体例を用いて解説します。(情報センサー 2023年4月号)

請負業における機械学習を活用したデータ分析

請負業に対する監査における、請負業の会計不正の手口に対応したAI/機械学習を用いた異常点の検知および説明可能AI(貢献度および例示による説明)の技術を用いた異常点の深度ある分析について、その分析手法を紹介します。(情報センサー 2023年3月号)

試算表を用いた連結子会社のリスクの識別

連結財務諸表監査において、多数の子会社の中からリスクの高い動きを捉えるアプローチとしてAI/機械学習と不正の手口を想定した伝統的な財務分析を組み合わせた分析手法を紹介します。(情報センサー 2023年2月号)

拠点損益情報を活用した利益付替などの異常検知について

小売・外食産業等で多数の同質な店舗をチェーン展開している会社の財務諸表監査において、店舗損益情報から不正リスクの高い店舗や不自然な損益の動きを検知する高度なデータ分析手法を紹介します。(情報センサー 2023年新年号)

監査法人のDX ~データとAIの活用

2021年7月、当法人は経済産業省が定めるDX認定制度に基づく「DX認定事業者」に認定されました。本稿では、当法人の取り組みの最近の状況を会計事務所のDX事例として、とりわけデジタル技術、その中でもデータとAIや機械学習を活用した事例について紹介します。(情報センサー 2021年10月号)

言語処理技術を用いた有価証券報告書の分析

有価証券報告書の記述情報の充実が進んできている中、本稿では、主にリスク認識の観点から有価証券報告書の記述情報や注記事項の項目データに対する言語処理技術を用いた分析に関する取り組みについて紹介します。(情報センサー 2021年5月号)

グラフ理論を用いた循環取引の検知

本稿では、循環取引を検知する方法として、企業間取引をモデル化したグラフ上の閉路を全て列挙することで相互発注取引を全て見つける、というグラフ理論を用いたアプローチの可能性について紹介します。(情報センサー 2020年12月号)

補助元帳を活用した循環取引の検知について

仕訳データの基礎となる総勘定元帳を補助する補助元帳は、特に取引件数が多い売上などの勘定科目について、総勘定元帳よりも広範囲の情報を持っているため、これを分析対象とすることで、より詳細なデータアナリティクスが可能となります。今号では、複数の補助元帳を用いて、異常な取引を検知する手法について紹介します。(情報センサー 2020年11月号)

リスク評価におけるAI活用について

本稿では、われわれの取り組みが監査(外部監査)でどう役に立つのか、特にリスク評価という観点からAI(機械学習)の適用の可能性について論じます。(情報センサー 2020年10月号)

高解像度財務分析手法でどう見抜く? グラフ形状から読み解く特徴(売上編)

当法人で開発した仕訳の異常検知システムEY Helix General Ledger Anomaly Detector(GLAD)による、企業ごとに最も特徴が出やすい売上に関して、業種を推定できる可能性やグラフの推移を深く理解することにより、読み取れる会計事象を推測する手法の一例を紹介します。(情報センサー 2020年8月号)

高解像度財務分析手法でどう見抜く?グラフ形状から読み解く特徴(勘定科目編)

当法人で開発した仕訳の異常検知システムEY Helix General Ledger Anomaly Detector (GLAD)は、分析の過程で勘定科目ごとに日次の仕訳計上額の推移を示すグラフがあります。今号では、会社の業種に関わらず同じ形状のグラフとなる勘定科目の中から代表的なものを問題形式で紹介します。(情報センサー 2020年7月号)

高解像度財務分析手法でどう見抜く? 請負業の不正

EYグローバルの仕訳の異常検知システム(GLAD)は世界中で展開され、国内外延べ350社以上での運用を通じて仕訳を分析するノウハウを蓄積してきました。今号では、請負業を営む会社を分析対象とした高解像度な財務分析手法の一例を紹介します。(情報センサー 2020年4月号)

高解像度財務分析手法でどう見抜く? 小売業の不正

当法人で開発した仕訳の異常検知システム(GLAD)はデータのビジュアル化についてもさまざまな機能を有しており、これらを用いると仕訳データに含まれる情報を利用して多面的な分析を行うことが可能になります。本稿では、小売業を営む会社を分析対象として高解像度財務分析手法の一例を紹介します。(情報センサー 2020年3月号

仕訳データによる高解像度財務分析手法

仕訳データをどういう切り口で見るとこれまでの集計値では分からなかった情報が明らかになるのかという高解像度な財務分析手法、および、高度な分析として仕訳データに異常検知などのアルゴリズムを適用する効果と限界や将来の展望について解説します。(情報センサー 2020年2月号)

テキスト分析と会計学研究

近年の会計学研究では、企業の開示資料の「数値」情報だけでなく「文字(テキスト)」情報にも関心が向けられています。本稿では、そのようなテキスト分析に関する研究成果を紹介した上で、会計監査への応用可能性を検討します。(情報センサー 2019年5月号)

AIを活用したContinuous Auditing(継続的監査)で不正会計は見抜けるか

最近AIを利用した監査の在り方としてContinuous Auditing(継続的監査)という概念を聞くことが多くなりました。本稿では、Continuous Auditingという概念について、現時点で技術的にどこまで可能なのかを具体的に検討するとともに、将来の財務報告の在り方についても考察します。(情報センサー2019年3月号)

不正会計はAIで見抜けるか

最近人工知能(AI)の監査への活用が話題となっています。全自動監査ロボはまだ先の話ですが、監査実務でAIを予測や推定に役立てる試みは始まっています。本稿では、AIの具体的な活用例として不正会計の予測にテーマを絞り、これまでの学術研究や当法人での取り組みを紹介します。(情報センサー2017年新年号)

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