デジタルの業務を活⽤して、迅速な対応だけでなく、積極的かつアジャイルな対応を実現する
⽣産⼯程の切り替え、製品の共同設計、構成可能な製品など、業務のアジリティ(俊敏性)というと、エンジニアの世界の話に聞こえるかもしれません。しかし、こうした柔軟な生産対応が、アジャイルな企業としての競争⼒を⽀える新たな基盤になります。
従来型の製造業が顧客の要求に応えるには数週間を要します。⼩売業は4四半期先まで予測して、新しい⽣産ラインや製品を準備しています。⾦融サービスでは、消費者向けの新商品を導⼊して提供するまでに数年かかります。こうした時期的な遅れや資本上の要件を抱えているため、従来のCOOは外部からの働きかけに対し受け⾝の姿勢にとどまり、市場をリードするよりも、後れを取らぬよう努めていました。
しかし、業務効率を積極的に⾼めることは競争上の強みとなります。アジャイルな考え⽅や⽅法論を⽤いれば、顧客独⾃のニーズを満たすような製品をいち早く、より低価格で市場に投⼊できます。これは単なる業務体制の変化ではありません。COOを戦略上のマーケットメーカーへと変貌させるものです。COOにとって、そのためのアクションは3つあります。
- 顧客から直接のフィードバックを得られる体制を整備する︓新しいデジタルタッチポイントを利⽤し、顧客のリアルタイムの「気持ち」を把握することで、迅速な対応をします。
- デジタルの業務と製造⼯程を結集し、ビジネス要求に迅速に応える︓急ぎの注⽂からカスタム⽣産まで、速やかに対応します。
- 不安定要素の管理に積極的な姿勢で臨む︓ロボティクスとオートメーションを駆使し、混沌とし予測不能なマーケットに対処します。
このレベルのコネクティビティとアジリティを業務体制に統合するのはテクノロジー重視のアプローチに思われるかもしれませんが、現実にはその逆の人間的側面があります。COOが業務の中⼼に⼈(この場合は顧客)を据えるという、持続可能な成⻑戦略の重要な要素について、テクノロジーへの投資全てが⼈に良い結果をもたらすよう、提案を⾏うことができるのです。