最新の子会社管理システムを活用すれば、企業が直面する他のテクノロジーの課題も解決できます。62%の企業が、自社のテクノロジーではガバナンス業務の状況を追跡できないと回答しており、これは一部の旧式システムの限界を反映しています。最新の子会社管理システムは、それとは対照的に、優れた機会を提供するでしょう。
最新の子会社管理システムは、ワークフローの自動化を可能とし、社内承認から現地での実施に至るまでの全てのガバナンス業務を定義し、最適化したプロセスに従って実行されます。さらに、さまざまな企業システムとインターフェースができ、分析ツール構築のための一元化したデータウエアハウスのプラットフォームを提供します。
「古い子会社管理システムの非効率性が原因で、多くの企業が、コンプライアンスの期限、組織図、その他のガバナンス業務について類似するプロセスやデータセットを作成・維持しています」とFryは述べています。「これは非効率的であり、可視性と一貫性の欠如によるリスクを生み出しています」
「最先端のテクノロジーは、企業にとって信頼できる唯一の情報源を構築するのみでなく、子会社データの活用によりガバナンスについての知見をリアルタイムで提供できることから、これらの課題を解決でき、幅広いステークホルダーグループのために企業内部の効率化を実現できます」
子会社管理と効果的なガバナンスが重要な理由
最適化され、十分なサポートを得た子会社管理プロセスは、幅広い分野の戦略と運営上のビジネスの優先事項を実現することに役立ちます。
取締役会の動向を把握する目的で経営幹部を対象として実施した調査「2021年EY Capital Confidence Barometer(EYキャピタルコンフィデンス調査)」のデータからは、2021年度において大規模な企業は、トランザクションを最重要視していることが明確になりました。49%が今後12カ月間に積極的な買収を計画しており、その大半が国際的な企業の買収を検討しています。
スピンオフなどその他の種類のトランザクションも検討されています。78%の企業が、保有期間が長期にわたる資産の売却を検討していると回答しています1。企業にとっては、このようなディールに即座に対応できることが、明らかな戦略上の最優先事項です。もっとも、このようなディールへの即応性は、子会社管理プロセスの非効率性によって、リスクにさらされます。「子会社管理は、リストラクチャリングやトランザクションなどの大規模な企業イベントにおいて、重要な役割を果たします」と、EY Asia-Pacific and EY Oceania Entity Compliance and Governance LeaderのJennifer Coxは述べています。「子会社管理の失敗は、プロジェクトの遅延、スケジュールの圧力や不必要な予算外のコストの発生につながる可能性があります」
業務上の優先事項も、不十分な子会社管理プロセスによってリスクにさらされる可能性があります。85%の企業が、新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行により発生した課題を受けて、サプライチェーンの大幅な変更を検討しています2。